NFTとは?世界で人気高まるデジタル資産──5分でわかるNFT

NFTとは?世界で人気高まるデジタル資産──5分でわかるNFT

NFT(ノンファンジブル・トークン:Non Fungible Token、非代替性トークン)とは、プロスポーツ選手のカードから、仮想空間の土地、デジタル・スニーカーまで、コレクターが欲しがる多種多様でユニークな有形・無形のアイテムを表すデジタル資産を言う。

ポケモンカードや珍しい硬貨のような物理的なコレクション(収集物)と比べて、デジタル・コレクションを所有する大きなメリットは、一つひとつのNFTが、他のNFTから明確に区別でき、かつ簡単に検証できる特徴的な情報を持っていること。

この特性により、偽物を作って流通させることの意味がなくなる。なぜなら、各アイテムの由来を最初の発行者や作り手まで遡ることができるようになるからだ。

NFTの特徴

一般的な暗号資産(仮想通貨)とは異なり、NFTは他のNFTと直接交換することはできない。

同じプラットフォーム、同じゲーム、さらには同じアイテムでも、まったく同じNFTは存在しないのだ。転売禁止の仕組みが組み込まれたコンサート・チケットを考えてみて欲しい。各チケットには、購入者の名前、日付、会場などの固有の情報が書かれており、チケットの交換は不可能になる。

NFTのほとんどは、2つのイーサリアム規格(ERC-721、ERC-1155)のどちらかを使って作られている。イーサリアム規格は、ソフトウェア開発者がNFTを簡単に作成し、取引所とメタマスク(MetaMask)、マイイーサウォレット(MyEtherWallet)のようなウォレットなどの互換性を維持するためのイーサリアムブロックチェーン上の規格だ。

イオス(EOS)、ネオ(NEO)、トロン(TRON)も、独自のNFTトークン規格を発表し、開発者をそれぞれのブロックチェーンに引きつけようとしている。

ノン・ファンジブル・トークン(NFT)のその他の特徴は以下のとおりだ。

  • 相互運用不可能:ドット絵の「クリプトパンク(CryptoPunk)」は、ネコのゲーム「クリプトキティーズ(CryptoKitties)」のキャラクターとして使うことはできず、その逆にも使うことはできない。これは、トレーディング・カードなどにもあてはまる。「ブロックチェーン・ヒーローズ(BLockchain Heroes)」のカードを「ゴッズ・アンチェーンド(Gods Unchained)」で使うことはできない。
  • 分割不可能:NFTはビットコインの「Satoshi(0.00000001BTC=1Satoshi)」のように、より小さい単位に分割できない。1つの完全なアイテムとしてのみ存在する。
  • 破壊不可能:すべてのNFTデータはスマートコントラクトを介してブロックチェーン上に保存されている。それぞれのトークンは破壊したり、削除したり、複製することはできない。トークンの所有権も変更できない。これは、NFTを作成した会社ではなく、ゲーマーやコレクターが実際にNFTを所有していることを意味する。この点は、iTunesストアで音楽を買うこととは対照的だ。iTunesストアでは、ユーザーは購入した音楽を実際に所有するのではなく、音楽を聞くためのライセンスを購入したに過ぎない。
  • 検証可能:ブロックチェーン上に過去の所有データを保存することのもう1つのメリットは、デジタルアートなどのアイテムについて、クリエーターまで遡ることができることだ。第三者による検証を必要とせず、作品が本物であることを証明できる。

NFTの重要性とは

NFTは、ゲームやコレクションの世界で革命を起こし、暗号資産のユーザーと企業の間で人気となっている。2019年から2020年にかけて、NFT分野の時価総額は2億1000万ドル(約220億円)から3億1500万ドル(約330億円)へと50%増え、今年1月までに、1億6770万ドル(約176億円)を超えるNFTが購入された。

ブロックチェーンによって、ゲーマーやコレクターはゲーム内のアイテムや他のユニークな資産の変更不可能なオーナーとなることができ、またそれらでお金を稼ぐことができるようになった。場合によっては、プレイヤーは仮想空間にカジノやテーマパークなどを作り、お金を稼ぐことができる。コスチューム、アバター、ゲーム内通貨など、ゲームで獲得したアイテムを2次市場(流通市場)で売ることもできる。

アーティストにとっては、オークションハウス(競売会社)やギャラリーを介さずに、デジタルのかたちで作品を世界中の買い手に直接販売することができるため、収益の大部分を手元に残すことができようになる。印税をデジタルアートにプログラムすることもできるため、アーティストは作品が新しいオーナーに販売されるたびに、収益の一部を受け取ることも可能だ。

人気テレビシリーズ『スタートレック』のカーク船長として有名なウィリアム・シャトナー(William Shatner)は昨年、デジタル・コレクションに進出し、自身の姿を写した9万枚のデジタルカードをWAXブロックチェーンで発行した。各カードは当初、約1ドルで販売された。そして今、シャトナーはカードが転売されるたびに印税収入を受け取っている。

なぜ価値があるのか?

あらゆる資産と同様に、需要と供給は市場で価格を動かす重要な要因だ。NFTの希少性と、ゲーマーやコレクター、投資家などからの旺盛な需要で、NFTに対して多くのお金を費やすようになった。

一部のNFTは、オーナーに多くの利益をもたらす可能性を秘めている。例えば、仮想空間「Decentraland」のゲーマーは、仮想空間内の土地を64区画を購入し、1つの区画にまとめた。その土地は「The Secrets of Satoshis Tea Garden」と名付けられ、魅力的な立地とアクセスの良さという理由だけで、8万ドル(約840万円)で取引された。

またある投資家は、レーシングゲーム「F1 Delta Time」のモナコのコースの一部を約22万ドルで購入。投資家はコースの一部を所有することで、そこで行われるレースから入場料などの5%の配当を受け取ることができる。

最も高価なNFT

クリプトキティーの「ドラゴン(Dragon)」は、600イーサリアム(ETH)の値がつけられ、最も高価なNFTと言われている。F1 Delta Timeでは、レーシングカー「1-1-1」が2019年5月、415.9イーサリアムで取引された。

今年1月には、クリプトパンクの中の1作品「Alien #2089」が605イーサリアムで売却された。クリプトパンクは、1万体の小さなキャラクター画像から構成され、世界で初めて作られたNFTと言われる。Alien #2089はその中の1体で、1万体のクリプトパンクの中に、エイリアンをモチーフにしたクリプトパンクは9体しか存在しない。

北米プロバスケットボール(NBA)の選手をデジタルカードにした「NBA Top Shot」でも、スター選手のレブロン・ジェームズ(LeBron James)のカードは10万ドルで取引された。また、「アクシー(Axie)」と呼ばれる仮想の生き物を育てたり、戦わせたりするゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」で、エンジェル(Angel)と名づけられたアクシーは300イーサリアムで取引された。

|翻訳:山口晶子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:klyaksun via Getty Images
|原文:What Are NFTs and How Do They Work?

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