ギャラクシー、BitGoを12億ドルで買収──暗号資産カストディを傘下に

暗号資産(仮想通貨)を中心とする金融サービスを手がけるギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)が、米BitGoを12億ドルで買収することに合意した。暗号資産のカストディ(管理・保管)事業を運営するBitGoを手中に収めることで、ギャラクシーは同領域における一気通貫したサービス展開を進める。

合意内容によると、BitGoの株主は、ギャラクシー・デジタルが新たに発行する普通株式3380万株と2億6500万ドルの現金を取得する。ギャラクシー・デジタル株の5月4日の終値を基にすると、買収規模は12億ドル(約1310億円)になる。

ギャラクシー・デジタルの創業者兼CEOのマイケル・ノヴォグラッツ氏は、「BitGoを買収することで、我々は企業や機関投資家におけるワンストップ・サービスを行うことが可能になる」とコメントした。

北米で活発化するM&A

北米の暗号資産業界では、企業や金融機関が同市場への参入を続けるなか、M&A(合併・買収)を通じた業界再編の動きが活発になっている。決済大手のペイパル(PayPal)は3月に、暗号資産カストディのカーブ(Curv)の買収を発表している。

暗号資産の市場規模が拡大するにつれ、カストディのニーズは高まっていくことが予想される。BitGoは現在、世界で約400の顧客企業を抱えており、日本では、暗号資産取引所を運営する楽天ウォレットやLINE傘下のLVCなどがBitGoのサービスを利用している。

BitGoは昨年、ペイパルとも合併協議を進めてきた。CoinDeskの取材では、ペイパルは当時、BitGoに対して7億5000万ドル(約809億円)の買収提案(現金)を行ったが、合意には至らなかった。

買収後、BitGoの株主は新会社の株式の約10%を保有することになる。BitGoのCEO、マイク・ベルシュ氏は、ギャラクシー・デジタルの副CEOに就任する。買収は第4四半期(10月~12月)に完了する予定だ。

|編集:佐藤茂
|トップ画像:Shutterstock
|原文:Galaxy Digital to Buy BitGo for About $1.2B in Stock, Cash