元CFTC委員長、テザー(USDT)の信頼性に懸念──リーマンショックを引き合いに

ステーブルコイン「テザー(USDT)」の価値の崩壊は、暗号資産市場に壊滅的な影響を与える可能性があると、米商品先物取引委員会(CFTC)の元委員長、ティモシー・マサド(Timothy Massad)氏は指摘した。

マサド氏は31日に掲載されたブルームバーグの記事で、テザーの価値が1ドルを割るという仮定の出来事を、2008年9月にリーマン・ブラザーズが破産申請をした翌日にリザーブ(The Reserve)が運用していたMMF「プライマリー・ファンド(Primary Fund)」が1ドルの額面価格を割ったことと比較した。当時、MMFの額面割れは、アメリカの金融史上2度目の事態となった。

暗号資産市場では、米ドルに連動しているUSDTのようなステーブルコインはMMFに相当し、投資家はその価値が1ドルを割る可能性を懸念する必要があるとマサド氏は述べた。

流動性ショックの可能性

USDTを発行・管理しているテザー社は最近、3月31日時点で、資産のうち現金、リバースレポ(債券を担保にした借り入れ)、米国債が10%程度しかないことを公表した。テザー社の裏付け資金の大半は法定通貨ではないことから、USDT保有者は「1USDT=1ドルとされた価値を取り戻すことが困難になる危険性がある」とマサド氏は述べた。

問題は、テザー社は突発的な大量の引き出しに耐えられるかどうか、そしてそれが暗号資産のエコシステム全体にどのような影響を与えるかだ。JPモルガンのレポートによると、ビットコイン取引の50~60%がUSDTで行われており、USDTへの信頼性が仮に失われた場合、ビットコイン(BTC)市場に「深刻な流動性ショックをもたらす可能性が高い」としている。

USDTの流動性の低下は、暗号資産価格の下落につながる。

マサド氏は、ステーブルコイン規制を強化しなければならないと述べたが、12月に議会に提出された、ステーブルコイン発行者に銀行と同様の規制と基準を求める法案については「前進するかどうかは誰にもわからない」とコメントした。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:Disruption in Tether’s Value Could Be Crypto Equivalent of ‘Breaking the Buck’: Former CFTC Chairman

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