ビデオカード価格が下落──中国でのマイニング規制で需要減少

中国が四川省での暗号資産マイニングを禁止したとの報道を受けて、GPU(Graphics Processing Unit)価格が下落している。

英字新聞のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post))は21日、ECサイトでのGPUの価格が3分の2まで下落したと伝えた。マイナー(マイニング事業者)にとっては悩ましい状況だが、世界的な供給不足のために長らく最新GPUを購入できなかったゲーム愛好家にとっては喜ばしいことだろう。

中国・国家発展改革委員会(NDRC)の四川省支部と四川省エネルギー局は18日、暗号資産マイニングの禁止を通達した。四川省は水力発電による電力が豊富で、暗号資産マイニングの一大拠点となっており、この地域での規制は特に大きな影響力を持つ。

オーストラリアのECサイトでは、GPUの在庫が新型コロナウイルス感染拡大の前の水準に戻る一方で、価格は5~10%下落している。

2020年、GPU価格は天文学的なレベルにまで上昇した。新型コロナ感染拡大の影響で自宅でのリモートワークが増え、需要が急増したためだ。ECサイトでは、GPUは数カ月も売り切れ状態が続いた。

さらに暗号資産価格の上昇によって、多くのマイナーが最新GPUを手に入れようとしたことも拍車をかけた。問題が深刻化したため、GPU大手のエヌビディア(Nvidia)は「ライトハッシュレート(LHR)」と呼ばれる機能を開発、GPUの暗号資産マイニングへの使用を制限している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:Prices of GPUs Fall, Supply Increases as China Cracks Down on Crypto Mining