会社を清算し、運営をコミュニティに移行──100億円超のエアドロップも予定

会社を清算し、運営をコミュニティに移行──100億円超のエアドロップも予定

暗号資産取引サービスを提供するシェイプシフト(ShapeShift)は会社を清算し、サービスの運営をFOXトークン保有者が管理する自律分散型組織(DAO)に移行する。数カ月にわたる移行プロセスを開始するにあたり、9800万ドル(約108億円)相当のエアドロップを行う予定だ。

2014年にErik Voorhees氏が設立した同社は14日、会社を清算すると発表した。Voorhees氏によると、現在同社は65名の従業員を抱えているが、4カ月から12カ月後には従業員も銀行口座もCEOも存在しなくなるという。

「確かに過激なこと」とVoorhees氏は述べた。

「1年前は非現実的なことと考えていた。だが現時点では、サービスが構築され、コミュニティが株式ではなくトークンを中心に構築されている様子を目の当たりにしている。シェイプシフトが会社を清算することは、他とは一線を画することだ」

暗号資産の世界では、多くの会社は分散型プロジェクトを構築しているが、同時にそのプロジェクトを使って利益を生み出すビジネスを展開している。

例えば、代表的なDeFiプロジェクトとして知られるコンパウンド(Compound)を開発したコンパウンド・ラボ(Compound Labs)は、新会社「Compound Treasury」を設立した。こうした動きは「真の分散化」と呼ばれているが、シェイプシフトはさらに一歩先を行くとVoorhees氏は述べた。

関連記事:“機関投資家向けDeFi”を切り開くか──新会社「Compound Treasury」の仕組み

また同社はより多くの人にこの新しい取り組みに参加してもらうために、シェイプシフトのこれまでの全ユーザー(約90万アドレス)と、複数のDeFiプロジェクトの12万アドレスを対象に、FOXトークン、3億4000万をエアドロップ(無償配布)する。

エアドロップの対象者

当記事執筆時点、FOXは約0.29ドルで取引されている。4月には1.65ドルの史上最高値を記録した。総供給量は10億1337。

そのうち、34%はコミュニティと他の暗号資産コミュニティに、32%はシェイプシフトのスタッフに、24%はシェイプシフトのDAOに、7.5%は財団(現状で分散化できないものを分散化できるようになるまで管理する)に、1.3%は会社の清算に使用するために分配される。現在、約1000万のFOXトークンがすでに流通している。

記事の冒頭で「9800万ドル相当のエアドロップ」と書いたが実のところ、かなりの概算だ。FOXトークンの価格がエアドロップ開始時と基本的に変わらないと仮定したもので、実際は、もっと低い数字になるだろう。

FOXトークンはシェイプシフトの利用に必要なものではないが、より優れた体験を提供してくれるとVoorhees氏は述べた。例えば、保有者はプラットフォームから収入を得ることができる。

官僚主義からの脱却

同社はさまざまな顔を持っている。IDフリーの暗号資産取引の提供から、暗号資産取引所、そしてVoorhees氏が今はまだ良い名前がないなにかと呼ぶものへと進化している。

同社は、暗号資産ユーザーが複数のブロックチェーンで自分のポジションを確認し、経済活動を行うことができるコントロールパネルのようなものになった。

「我々は本質的には暗号資産インターフェース」とVoorhees氏は述べた。同社はウォレット、アプリ、ブロックチェーンなどの統合を視野に入れて構築されている。

注意すべき点は、同社にはDAOで運営するには複雑な部分もあることだ。例えば、ハードウェア部門のKeepKey。現状、KeepKeyの将来像は不明だが、独立した会社になる可能性もある。

Voorhees氏は会社の創業者として、清算を特に悲観的には捉えていなかった。これまで背負ってきた官僚主義からの脱却を楽しみにしていたと述べた。

同氏は移行によって、自身とユーザーや開発者との関係が深まることを期待している。

「会社にとって最も重要なものは人。移行がそうした関係性を強化することを期待している。次の予定は何もない。私はこれからもシェイプシフトの一員として、多くのリーダーの中の一人であり続ける」とVoorhees氏は語った。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk archives
|原文:ShapeShift to Shut Down, Airdrop FOX Tokens to Decentralize Itself Out of Existence

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