テザー、準備金約7兆円の内訳を公表

米ドル連動型ステーブルコイン、テザー(USDT)の発行元であるテザー・ホールディングス(Tether Holdings、以下テザー社)が保証報告書を発表、628億ドル(約6兆9200億円)の準備金の内訳について、これまで以上に詳細な情報を公表した。

こうした情報は投資家が待ち望んでいたものだ。同社は3月、初めて保証報告書を発表し、資産と負債を明らかにした。5月には準備金の内訳について、約50%はコマーシャルペーパー(CP)であることを明らかにしたが、これは保証報告書ではなかった。

最新の保証報告書では、テザー社は準備金の内訳のみならず、コマーシャルペーパー(CP)と譲渡性預金(CD)の格付けと満期も記載している。

6月30日付の保証報告書によると、準備金の49%にあたる308億ドルはCPとCDで、格付けは約93%がA-2以上、1.5%がA-3以下という。同社幹部は以前、保有CPの格付けは「大多数がA-2以上」とCNBCに語っている。

資産と負債

テザー社の6月30日時点の総資産は628億ドルで、3月31日時点の410億ドルから増加している。CoinGeckoによると、8月9日時点、テザー(USDT)の流通供給量は627億ドルという。

CPとCD以外の準備金は、現金と銀行預金が62.8億ドルで全体の10%、リバースレポ(債券を担保にした借り入れ)が10億ドル(1.6%)、米国債が152.8億ドル(24.3%)。5月の内訳ではCP約50%、信託預金18%、現金2.9%、リバースレポ2.7%、米国債2.2%だった。

また、担保貸付25.2億ドル(4%)、社債・ファンド・貴金属48.3億ドル(7.7%)を保有。担保貸付は「関連組織には存在しない」という。デジタルトークンを含む「その他の投資」は20.5億ドル(3.3%)。

6月30日時点、テザー社は4つの訴訟に直面しており、「その結果は経営陣がまだ合理的かつ確実に推測できるものではない」。また「訴訟に関する想定外の負債は発生していない」と記されている。

コマーシャルペーパーと譲渡性預金の内訳

CPとCDの格付けは、A-1+が約1億4980万ドル(0.5%)、A-1が約145億ドル(47%)、A-2が約140億ドル(45%)、A-3が約17億ドル(5.5%)、A-3−が約4億5930万ドル(1.5%)だった。

なお、CPの発行体についての情報は開示されていない。

CPとCDの満期については、約106億ドル(34%)が3カ月以内、約65億ドル(21%)が3カ月以上6カ月未満、137億ドル(45%)が6カ月以上1年未満となっていた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Tether Reveals More Details About Its Reserves