660億円のハッキング、最後の36億円は未返却──ハッカーの狙いは?

DeFiプロジェクトのPoly Networkがハッキングを受け、約6億ドル(約660億円)の暗号資産(仮想通貨)が流出してから2週間目に入った。ハッカーは流出させた暗号資産を全額返却すると述べたが、まだ3300万ドル(約36億円)相当のテザー(USDT)が返却されていない(なお、テザーは発行元のテザー社によって、凍結されている)。

中国に拠点を置くPoly Networkは、盗まれた暗号資産を返却する見返としてハッカーに50万ドル(約5500万円)の報酬を提案した。ハッカーは当初、提案を断ったと述べていた。ハッカーはPoly Networkが設定したマルチシグウォレットに資産の返却を開始し、ウォレットへの資金の返却自体は完了させた。だが、まだウォレットの最後の鍵を渡していない。

ホワイトハッカーか否か

ハッカーは、協定世界時(UTC)16日13時45分(日本時間16日22時45分)、報奨金を受け取り、クロスチェーンプラットフォームをハッキングできる能力を持つ人のために使うことを考えているとイーサリアムブロックチェーンに投稿した。Poly Networkはこのハッカーのことを「Mr.White Hat」と呼んでいるが、本当にホワイトハッカーかどうかを疑問視する声もある。

ホワイトハットハッカー(あるいはホワイトハッカー)とは、プロトコルの脆弱性を利用して、最終的には修正することを目的にプログラムのバグなどを見つけ出す人物をいう。

「私にとってお金はほとんど意味はなく、ハッキングにお金を支払った人もいるが、私はむしろ楽しみのためにお金を払いたい。仮にポリが皆が期待するような賞金を出さないとしても、私はショーを続けるだけの十分な予算を持っている」とハッカーは投稿した。

「プログラムの一部は信用しており、プロジェクトの全体デザインも賞賛するが、ポリのチーム全体を信用することはない」

「皆の準備が整えば、最後の鍵を提供する。私の考えは変わっていない。だが、終わりのない戦争になるのではないかと心配している。コミュニティがすべてを理解すれば、早く進めることができるだろう」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Poly Network Hack Not Over as Attacker Prolongs Return of Funds