リップル、ブラジルへ進出。南米展開に着手

ブロックチェーン決済企業リップル(Ripple)は、南米への事業拡大計画の第一段階として、ブラジルに事業を展開する。

6月11日(現地時間)付のプレスリリースによると、同社は、ブラジルでの戦略推進と事業展開支援のために、豊富な実績を持つフィンテック起業家兼経営者のルイス・アントニオ・サッコ(Luiz Antonio Sacco)氏を同拠点のマネージングディレクターに起用した。ビジネス向け交流サイト、リンクトイン(LinkedIn)上のサッコ氏のプロフィールは、同氏が2019年3月よりリップルに在籍していることを示している。

同社シニアバイスプレジデントのエリック・ヴァン・ミルテンブルグ(Eric van Miltenburg)氏は以下のように語った。

「今年1月、リップルネット(RippleNet)の顧客数は200社を超えました。弊社の顧客数は全ての市場において急速に成長しています。弊社は、南米における高い顧客需要に応えるために、ブラジルでのオペレーションを開始します。同地域で当社のプレゼンスを拡大し、顧客の国際送金を支援していくにあたって、ルイス氏を迎え入れることができ、我々は幸運です」

すでに、十数社を超えるブラジルの金融機関および送金企業がリップルネットを利用していると同社は語った。リップルネットは、国際送金を円滑にする目的で設計された、銀行や決済サービスプロバイダー向けの送金ネットワークで、加盟企業には、大手銀行サンタンデール(Santander)のブラジル法人、送金企業のビーテック(BeeTech)、現地銀行のレンディメント銀行(Banco Rendimento)などが挙げられる。

リップルは、6月11日から13日までの間、ブラジルのテック系イベント「CIAB Febraban」にリップルネットを出展する予定。

同社によると、リップルネットには毎週平均2、3社の金融機関が加わっており」2019年第1四半期のリップルネット上の取引量は、2018年の総量を上回った。また今年は、ブラジルだけでなく、チリ、ペルー、アルゼンチンを含む南米諸国全体に顧客基盤とチームを構築することに注力していく予定だとも述べている。

同社は、サンパウロ大学(University of São Paulo=USP)やジェトゥリオ・ヴァルガス財団(Fundação Getulio Vargas=FGV)大学など、ブラジルの著名大学に、法律、ビジネス、エンジニアリングなどの分野にわたる学術研究や技術開発を支援するためのリソースを投入している。

「我々は、ブロックチェーン業界の推進において、学術機関が重要な役割を果たすと信じています。USPとFGVは、革新的かつ先見性のある学術機関であり、ブロックチェーンの新たな用途を探求し、学生が将来この領域で働けるよう育てるために、ブロックチェーン研究に投資しています」とサッコ氏は語った。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Rio image via Shutterstock
原文:Ripple Kicks Off South America Expansion With Brazil Launch