「暗号資産を禁止するつもりはない」パウエルFRB議長

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、暗号資産(仮想通貨)を禁止するつもりはないと30日に開催された米下院金融サービス委員会で述べた。一方でステーブルコインには規制面での監視強化が必要とした。

委員会にはパウエル議長のほか、イエレン米財務長官も出席し、米財務省とFRBの新型コロナウイルス感染拡大への対応についての質問に答えた。暗号資産(仮想通貨)に関する質問も複数あった。

暗号資産支持派として知られるテッド・バッド(Ted Budd)議員は、パウエル議長が7月の公聴会で中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発は民間の暗号資産やステーブルコインの必要性を低下させる可能性があると発言したことについて、再度質問した。

バッド議員から「暗号資産の使用を禁止あるいは制限」する意図はあるかと質問されたパウエル議長は明確に「ノー。禁止するつもりはない」と答えた。

2日前にパウエル議長はデジタルドル開発のための協議と立法上のサポートを議会に求めたばかりだった。暗号資産コミュニティの一部には、アメリカのCBDC開発は中国のような暗号資産の全面禁止につながるのではないかとの憶測もある。だがパウエル議長の発言はその可能性を否定するものだ。

ステーブルコインについては、MMF(マネー・マーケット・ファンド)や銀行預金と比較した。

「それらはある程度、規制の範囲外にあるが、規制を受けるのは適切なこと。同じような商品は、同じ規制を受けるべきだ」とパウエル議長は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ジェローム・パウエルFRB議長(Wikimedia Commons)
|原文:Fed Chair Powell Says He Has ‘No Intention’ of Banning Crypto