英ケンブリッジ大学、ブロックチェーン上に炭素クレジット取引市場

英ケンブリッジ大学は「Cambridge Centre for Carbon Credits」を設立し、ブロックチェーンを使った炭素クレジット(二酸化炭素排出権)取引市場の開発に取り組む。生物多様性の保護を目的とした森林再生プロジェクトをサポートすることが目的だ。

同センターでは、コンピュータ科学者と自然環境保護に取り組む科学者が連携し、生物多様性を保護するプロジェクトに炭素クレジットを使って資金提供する方法を探っていく。

取引市場は、テゾス(Tezos)ブロックチェーン上に構築される。持続可能性を重視していることが選択の理由だ。

英グラスゴーではCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)が開催され、気候変動への懸念は世界的に高まっている。気候変動対策にブロックチェーンを活用する取り組みも相次いで登場し、7月には中国が炭素排出権取引市場を開始、9月にはシンガポールでトークンを使ったプロジェクトが行われた。

COP26で10日に開催されたカンファレンスでは、専門家がブロックチェーンを使った気候変動対策への支持が高まっていると述べた。例えば、オーストリアの組織「GloCha United Citizens Organization for Action for Climate Empowerment」は、ブロックチェーンを使い、国連と連携した取り組みを進めようとしている。

今月初めには暗号資産取引所ビットメックス(BitMEX)が10万ドル相当の炭素クレジットを購入。これは7110トンの二酸化炭素排出量に相当し、来年のビットコインによる二酸化炭素排出量を相殺するのに十分な量だ。

2020年末には、ブロックチェーンを手がける会社が集まった「Universal Protocol Alliance(UPA)」が二酸化炭素排出量の削減を目的とした「UPCO2」トークンを発表している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Cambridge University to Build Carbon Credit Marketplace on Blockchain