「長期的な逆風」を予想:マイニング機器大手カナン

ビットコイン(BTC)マイニング機器大手のカナン・クリエイティブ(Canaan Creative:嘉楠耘智信息科技)は、困難な第2四半期(4−6月期)の後、厳しさを増す市場環境のために今後数カ月は業績が悪化するだろうと8月18日に述べた。

第2四半期の収益は、前年同期比53%増の16億5300万元(約2億4700万ドル、約333億円)、1株当たり利益(EPS)は3.53セント、米国預託株式(ADS)1株当たり利益は53セントで、Seeking Alphaの予想(ADS1株当たり利益39セント)を上回った。

同社CEOのNangeng Zhang氏は、この四半期を「チャレンジングな期間」と呼んだ。ビットコインが6月に2万ドルを割り、中国のさまざまな都市で新型コロナウイルス対策としてロックダウンが行われたためだ。ビットコイン価格の下落は「今後の数四半期、当社の業績に長期的な逆風をもたらすだろう」とZhang氏は付け加えた。

市場の下落とエネルグー価格の高騰

ビットコインマイナー(マイニング事業者)の利幅は、市場の下落によって縮小している。またこの数カ月は、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の高騰に直面している。

カナンが第2四半期に販売したコンピューティングパワーは、前年同期の590万テラハッシュ/秒(TH/s)から550万TH/sに減少。厳しい状況に対処するため、販売価格を引き下げたが、これにより下半期の売上総利益率が大幅に低下するという。

コンピューティングパワーは、590万TH/sから550万テラハッシュ/sに減少しました。カナンは、この厳しい状況に対応するため、スポット販売の価格を引き下げたが、これにより下半期の売上総利益は大幅に低下するという。

「今後の数四半期を見ると、ビットコイン価格の低下、エネルギー価格の全般的な上昇、世界的な感染症の流行や地政学的な不確実性などから市場環境はより厳しくなり、当社製品の需要や価格を危うくする可能性がある」と最高財務責任者(CFO)のJames Jin Cheng氏は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Mining Hardware Firm Canaan Sees ‘Prolonged Headwinds’ After Challenging Quarter