CryptoPunkのフロア価格、一時的にBored Apesを上回る──市場低迷の中での逆転劇の意味とは

人気NFTコレクション「CryptoPunk」のフロア価格(最低取引価格)は22日、一時的にライバルの「Bored Ape Yacht Club」を上回った。フロア価格が高いことは、需要の高さを意味する。

だが逆転は長くは続かなかった。ニューヨーク時間の22日深夜には、NFTマーケットプレイスOpenSea(オープンシー)で再びBored Apesが上回った。両コレクションのフロア価格は、66~67イーサリアム(ETH)、約10万4000ドル(約1420万円)前後で推移した。

Crypto Punkがトップに立つ、あるいはそれに近い状態になるのは初めてではない。Crypt Punkは2019年から、Bored Apesに抜かれた昨年12月まで、最も価値あるNFTコレクションの座を保っていた。

イーサリアム価格が4000ドルを超え、NFTの取引高も過去最高を記録した2021年の冬とは異なり、今回の逆転は、ライバルコレクションの価格が下落傾向にあるなかで発生した。NFTPriceFloorによると、Bored Apeのフロア価格はこの1カ月で40%近く下落、CryptoPunksは24%下落している。

「Apeは、ピーク時から(イーサリアム建てで)まだ50%下落していない。他のコレクションは50%下落したか、いずれ下落するだろう」とNFT評価サイトDeepValueNFTの創業者ニコライ・ヤコベンコ(Nikolai Yakovenko)氏は述べた。「Punkも、Fidenzasも下落した。Apeが同じように下落しないことは、ほぼありえないことだった」。

底値を争うようなレースはまだ続くかもしれない。NFT融資の清算の連鎖と最近の取引高の低下のなかで、両コレクションの価値はしばらく下がり続けるかもしれない。

Bored Ape Yacht Clubを手がけるYuga Labs(ユガラボ)は3月、CryptoPunkを買収した。その後Yuga Labsは、専門の開発チームとマーケティングチームを作り、ブランドの活性化に取り組んだ。

Yuga Labsの共同創業者は、フロア価格を重視していない。最近のインタビューで、Yuga Labsは価格を高く維持することよりも、コミュニティに有用性をもたらすことに重点を置いていると述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CryptoPunks modified by CoinDesk
|原文:CryptoPunks Briefly Flip Bored Apes as NFT Prices Continue to Crater