バイナンスからの引き出しは続き、BNBは8%下落──きっかけとなったサン氏は沈静化を図る

暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の健全性に対する漠然とした不安が12月13日、アジアの取引時間に市場に広がっていた。

不安の一部は、トロン(Tron)の創設者ジャスティン・サン氏がバイナンスから合計5000万ドル(約69億円)を引き出したと伝えられたことから生じたようだ。サン氏は、1億ドルのUSDコイン(USDC)をバイナンスに預け戻したことを示すEtherscanへのリンクをツイートし、市場の不安を鎮めようとしている。

Nansenのデータによると、24時間でバイナンスの純流出は18億ドル(約2500億円)に達した。

出典:Nansen

一方、パクソス(Paxos)とフォビ(Huobi)はそれぞれ、約1億4000万ドル、約2000万ドルの純流入となっている。

出典:Nansen

コインベース(Coinbase)は、流入も流出も大きく、結果的に約800万ドルの純流入。

バイナンスの経営状態のバロメーターとされるバイナンスコイン(BNB)は、CoinGeckoによると24時間で8%下落し、259ドル付近。

また、DeFiLlamaによると、バイナンス・サービス・チェーン(Binance Service Chain:BSC)上のDeFi(分散型金融)プロトコルのTVL(Total Value Locked:預かり金額)は、24時間で4.5%減少した。

出典:DeFi Llama

バイナンスは13日、USDコインとバイナンスUSD(BUSD:パクソスが管理している)の間でトークンスワップ(トークンの移動)を行っているため、USDコインの引き出しを一時的に停止しているとツイートした。

チャンポン・ジャオCEOは、スワップの一部にはニューヨークにある銀行の口座の更新が必要で、銀行がアメリカ時間で営業を開始するまで完了できないと言及。またサン氏のバイナンスへの入金は、バイナンスUSDをトロンブロックチェーンに展開するプロセスの一部と述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:バイナンスのロゴ(Danny Nelson/CoinDesk)
|原文:Justin Sun Looks to Calm Crypto Market Fear as BNB Falls 8%, Withdrawals Continue on Binance