SECの暗号資産規制強化は、存亡の危機ではない:レポート

ステーブルコインのバイナンスUSD(BUSD)とその発行者パクソス(Paxos)に対する措置は、BUSDに特有のものであり、USDコイン(USDC)など他のステーブルコインに適用することはできないと投資会社のバーンスタイン(Bernstein)は2月16日の調査レポートで述べている。

業界関係者の中には、暗号資産が「ステーブルコインの規制やカストディルールの強化など、積極的に銀行システムから切り離されている」と懸念する声もあったという。

バーンスタインは、USDCの発行元であるサークル(Circle)がアメリカ証券取引委員会(SEC)から何の通知も受けていないと述べたことに注目している。ステーブルコインとは、その価値が米ドルや金などの他の資産に固定されている仮想通貨の一種だ。

アナリストのゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏とマヌス・アグラワル(Manus Agrawal)氏は、カストディルールの変更は現在提案されていて、銀行に有利であると見られるため、銀行としての認可を受けているアンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)のようなカストディアンや、州の許可の下で運営されているカストディアンにとってはプラスだと述べている。

「アメリカの規制は厳しくなっているようだが、香港の規制は緩和が予想され、差し引きではプラスになっていると思われる。アメリカでの規制への懸念が落ち着くまで、暗号資産市場がアジア主導になっても驚かない」とレポートは付け加えている。

バーンスタインは、今週、仮想通貨に大きな上昇があり、時価総額が1.2兆ドルに向かっていると述べている。急激な価格変動はショートカバーの影響を受けるが、価格の上昇は「既存の暗号資産投資家にエクスポージャーの引き上げを強いている」とも述べた。

ここ数カ月、弱気な暗号資産投資家は、オンチェーンでの非常に健全なユーザーの動向を無視してきた。レポートによると、暗号資産取引所FTXの崩壊の後、オンチェーン取引所を使用することを望むオンチェーンのセルフカストディウォレットが急増したという。

「レイヤー2エコシステムは活気に満ちており、安価なトランザクションコストによって採用が促進され、新しいアプリが展開されている」とバーンスタインは述べている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk
|原文:Bernstein: SEC Tightening of Crypto Regulations Is not an Existential Threat