シリコンバレー銀行破綻の影響は──9.02億ドルのUSDコイン、取引所から引き出し

スタートアップへの融資で知られたシリコンバレー銀行が破綻した。米銀の破綻では、2008年のリーマンショック以来の破綻規模となる。

暗号資産業界にとっては、暗号資産フレンドリーなシルバーゲート銀行が任意清算に追い込まれたことに並ぶ、大きな打撃。特にシリコンバレー銀行にかなりの準備金の預けていたUSDコイン(USDC)の発行元、米サークル(Circle)の動向に注目が集まっている。

サークルによると、USDCは431億ドルが流通し、432億ドルが準備金として保管されている。準備金の26%にあたる114億ドルは、シリコンバレー銀行やシルバーゲート銀行などに現金として保管されている。

サークルは、シルバーゲートに預けていた準備金の一部をすでに他の銀行に移したが、シルバーゲート銀行、シリコンバレー銀行の影響はそれだけにとどまらない。

ブロックチェーン分析企業ナンセン(Nansen)によると、過去24時間で、中央集権型取引所から9億200万ドル(約1230億円)のUSDCが引き出された。過去7日では、約30億ドル(約4080億円)にのぼる。

暗号資産インデックスプラットフォームPhutureのグロース責任者、チャールズ・ストーリー(Charles Storry)氏は「人々は最悪のケースに備えている。よりトラストレスな資産に移行している」と指摘した。

ナンセンによると、USDCの残高が最も多いウォレットは、バイナンス(Binance)、メーカーDAO(MakerDAO)、アービトラム(Arbitrum)、ポリゴン(Polygon)、クリプト・ドットコム(Crypto.com)、ボイジャー(Voyager)、アーベ(Aave)、オプティミズム(Optimism)、dYdX、コンパウンド(Compound)など。暗号資産におけるUSDCの存在の大きさを示している。

USDCの保有残高(Nansen)

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Nansen
|原文:Crypto Wallets Withdraw $902M USDC From Centralized Exchanges in Past 24 Hours Amid SVB, Silvergate Shutdowns