ホールセール型CBDCはクロスボーダー決済を改善──フランス銀行のテストが実証

フランス銀行(Banque de France:中央銀行)は、ブロックチェーンを使った数多くのテストを実施した結果、ホールセール型中央銀行デジタル通貨(wCBDC)は、クロスボーダー決済、決済のファイナリティ、幅広い金融資産の安全性を改善すると判断したと21日、発表した。

「これらの実験を通じてフランス銀行は、DLT(分散型台帳技術)上で直接ホールセール型CBDCを発行するために構想した3つのモデルの運用可能性と導入に向けた実用性を示すことができた」と同行は述べ、資産のトークン化とクロスボーダー取引の改善におけるアプリケーションをテストするために、異なるタイプのDLTが使用されたと付け加えた。

フランス銀行は2020年3月にホールセール型CBDCの実験を開始。2022年半ばまでに第2段階の実験を行い、これまでにルクセンブルクとの1億ユーロ(1億400万ドル、約146億円)相当の債券決済をはじめ、12の実験を完了している。例えば、シンガポール金融管理庁、スイス国立銀行、国際決済銀行(BIS)のイノベーション・ハブとのプロジェクトなどだ。

これらの実験から、ホールセールCBDCは「非上場金融資産に分類され、現在決済できないネイティブなデジタル資産やトークン化された資産にとって鍵となる」ことが示された。

世界中の中央銀行がホールセール決済を改善するためにCBDCの実験を積極的に行っており、BISは複数の実験を主導している。例えば、インドも同様の実験を開始しており、欧州中央銀行(ECB)も2024年に実験を開始する予定だ。フランス銀行は、ヨーロッパの試験的な取り組みを支援することが次のステップのひとつになると述べた。

フランス銀行は、ホールセール型CBDCの発行がデジタル・ユーロのようなリテールCBDCを補完することを明らかにした。シームレスなデータ交換のための相互運用性、より包括的なグローバルCBDCの枠組みのための国際協力と官民パートナーシップは、依然として優先事項だと同行は述べた。

同行によると、「気候変動への懸念は、ホールセールCBDCの設計におけるエネルギー効率の高いソリューションの開発の必要性を強調している」という。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Wholesale CBDC Would Improve Cross-Border Payments, French Central Bank Tests Show