エイリアンは存在する。暗号資産を使っている

エイリアンは存在する。彼らは暗号資産(仮想通貨)を使っている。

これは必ずしも証明できることではないが、もしかしたらビットコイン(BTC)は地球外生命体からの贈り物だったのかもしれない。サトシ・ナカモトがいなくなってしまったことを、他にどうやって説明できるのだろう?

UFOと暗号資産

国防総省の元職員で内部告発者となったデビッド・グラッシュ(David Grush)氏の先日の証言によると、アメリカ政府の一部は、アメリカの空域における未確認航空現象(UAP)に関する情報を隠蔽するために、ほぼ100年にわたって陰謀に関与してきたという。

証言は、7月26日の国家安全保障に関する下院監視小委員会の公聴会で行われたもので、UAPに重点を置いたNPO「Americans for Safe Aerospace」のディレクター、ライアン・グレイブス(Ryan Graves)氏と元海軍司令官のデビッド・フレーバー(David Fravor)氏もそれを裏付けるような証言を行った。

通常任務中のパイロットだったフレーバー氏は2004年、現代の航空機の技術的限界をはるかに超える空中機動飛行が可能な「Tic Tac(アメリカのキャンディー)」のような形をした物体の映像を撮影した。

さて、親愛なるCoinDeskの読者の皆さんは、UFOや人間以外の生物の遺体や物理学を覆すテクノロジーの話が、暗号資産と何の関係があるのか不思議に思っているかもしれない。手短に言えば、関係ない。私は、暗号資産コミュニティが憶測好きであることをあてにして、この記事をまとめ、読者の注意を引き付けようとしているところだ。

しかし、当局が信頼できないことを示すどんな事例も、ブロックチェーンにとっては勝利であり、個人に力を与えるツールを構築する理由となるのではないだろうか?

とにかく、エイリアンは存在する。そして彼らは暗号資産を使う。実際に、宇宙ではどんな通貨を使うことになるか、真剣に考えている人たちが地球人の中にもいる。

人類が多惑星種になったり、太陽系外の世界を植民地化することになれば、完全に検証可能で、自己決済可能な通貨が必要だと考える理由は多い。ビットコインはビザンチン将軍問題(時間、距離、動機によって隔てられた人々の間の信頼を調整する方法)を最初に解決した。

私たちはUAPがどのように機能するのか知らないし、UAPについて言われていることを疑う理由はたくさんある。グラッシュ氏は、UAPに関する国防総省の情報にアクセスできたとも、アクセスを拒否されたとも述べ、自ら矛盾した発言を行っている。そして、空飛ぶ円盤の目撃証言の多くは、軍用機のセンサーの欠陥で説明できる。

しかし、もしエイリアンが存在し、私たちと同じように野蛮でお金を必要とするならば、彼らのお金は「デジタル」であり、本質的に信頼できるものだと、私は確信している。

火星で法の支配を強制することは不可能だろう。そうなると、少なくとも信頼できる通貨が欲しくないだろうか?

信頼できない国家に対して

サミュエル・エドワード・コンキン3世(Samuel Edward Konkin III)は、アゴリズムという言葉を生み出し提唱した政治哲学者。アゴリズムとは、人々の間の関係のすべてが、反経済的手段による自発的な交換であるような社会を生み出すことを提唱する政治哲学だ。

コンキン氏は、暗号資産が広く流通した世界の姿について説明することに、最も近いところまで行った人物だ。コンキン氏は『New Libertarian Manifesto(新リバタリアン宣言)』の中で、政治的なプロセスに関与することに反対し、その代わりにブラックマーケットやグレーマーケットでのみ取引することによって、統治されることへの同意を撤回するよう人々に勧めた。コンキン氏にとっての重要なものは、自分で参加することを選ぶ自由市場であり、それは、暗号資産にかなり近いものに思われる。

ビットコインや暗号資産は「国家」と完全に対立するものではなく、これらのシステムをより広範な社会と統合する方法があると主張する人もいるだろう。しかし、単純な事実として(ブラックロックのビットコインETF申請が注目を集めている時代に語るには時代遅れかもしれないが)ビットコインがインターネット企業から自由に取引する力を奪い返し、監視から個人情報を守るために生みだされたことは本当だ。

アメリカ政府は暗号資産を潰そうとしている、あるいは少なくとも自分たちがコントロールできるものへと規制しようとしている理由も、これで説明できるかもしれない。

もうひとつ、私が賭けても良い主張がある。もし国防総省が、宇宙を旅する友人たちに関するあらゆる情報を隠蔽することで、私たちがいつの日か宇宙を探索することにつながるかもしれない情報を隠そうとしているのが本当なら、暗号資産を抑圧することはまったく理にかなっている。

著名な物理学者のエンリコ・フェルミ(Enrico Fermi)氏によれば、知的種族が本拠地を離れるために必要な技術的能力を構築するには、一定の決まった期間がある。戦争によって社会が崩壊したり、他の理由で科学の進歩が止まったりして、その期間が過ぎてしまうと、太陽が地球を飲み込む前に宇宙に飛び出すチャンスを逃してしまうのだ。

もしかしたら、暗号資産は核融合と同じくらい宇宙探査に必要なものであり、私たちが支配者のもとを去ることを防ぐために潰されなければならないのかもしれない。

そしてそれこそが、暗号資産の意義だ。地球外生命体の存在という、地球を揺るがすような根本的なことについて政府が嘘をついている可能性があり、私たちを自分たち自身から守る必要性を不要なものと感じている世界において、私たちには反抗するための選択肢がすでにある。コンキン氏がしたように、自らの世界でエイリアンになるのだ。

|翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Aliens Exist. And They Use Cryptocurrency