ビットコインは売られ過ぎに見えるが、反発は激しくない可能性
  • ビットコインの勢いは6月下旬から低迷している。
  • 過去の傾向を見ると、急上昇するのではなく横ばいになるだろう。

ビットコイン(BTC)が7月下旬からの下落を継続して8月を迎える中、RSIはビットコインが売られ過ぎの水準に近づいていることを示している。しかし、ビットコインの過去の傾向から考えると、反発は緩やかなものになる可能性がある。

RSIは47%下落

RSIの数値は6月23日以降、73.52から39まで47%下落。ボラティリティも低下しており、ATRは同じ期間で40%下落した。

RSIは従来、70超では買われ過ぎ、30未満は売られ過ぎの状態を意味すると考えられており、エントリーや決済の参考にするトレーダーもいる。

これまでの考え方では、ビットコインの現在のRSIの数値は最終的に価格の上昇につながると考えられるが、過去の傾向を見ると、すぐにそうはならない可能性がある。

2015年以来、ビットコインはRSIが30未満の場合よりも70以上の場合にパフォーマンスが良い資産であることが証明されている。つまり、売られ過ぎよりも買われ過ぎの状態の方がパフォーマンスが良いということだ。買われ過ぎの状態での30日間の平均上昇率は13%以上だったが、売られ過ぎの状態での30日間の上昇率は8%弱だった。

ビットコインのRSIを現在の39~40の範囲に絞るとパフォーマンスはさらに悪くなり、過去64回の事例では30日間の平均上昇率はわずか4%だった。

プラスの上昇率ではあるためビットコイン保有者にとって悪いニュースではない。しかし、現在の水準から大きく反発することを期待していたトレーダーは失望するかもしれない。

CoinDesk Indicesのビットコイン・トレンドインジケーター(BTI)は、7月24日に「中立」のシグナルを出した。今日は1%下落しているが、7月24日以降価格は安定している。

最近の停滞を打破できる材料は?

強気派にとって残念なことに、現在の市場力学を変える見通しはあまりないようだ。マクロ経済レベルでは数多くの経済指標が発表されるだろうが、成長の継続と緩やかなインフレ鈍化という現在の筋書から外れる可能性は低い。8月にはFRB(米連邦準備制度理事会)の会合は開催されないが、下旬に開催される中央銀行のジャクソンホール会議とFRBのパウエル議長の基調講演が今後の金融政策のあり方についてのヒントとなる可能性がある。しかし、パウエル議長がFRBの最近のインフレ警戒姿勢から大きく逸脱すると予想している人はほとんどいない。

最近のスポットビットコインETF(上場投資信託)申請をめぐる今後の米証券取引委員会(SEC)の決定が次の材料となる可能性が高いが、それに関するニュースは9月4日のレーバーデー以降まで発表されない可能性があり、それがポジティブなものになるという保証はどこにもない。

ある意味、ビットコインは資産として成熟したように見える。かつてはあらゆる材料に敏感に反応する幼児のような振る舞いをしていたが、今では最も重要な要素以外のことでは動かない陰気な十代の若者のようだ。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Looking Oversold, but Any Bounce Could Be Disappointing