ビットコイン、2万9200ドル付近で停滞──リチャード氏提訴などの影響で

1日のアジア市場オープン直前、ビットコイン(BTC)は2万9200ドル(約408万8000円、1ドル140円換算)をわずかに上回る水準で推移。過去24時間ではほぼ横ばいで、1週間続く狭いレンジにとどまっている。

リチャード氏提訴やカーブでのエクスプロイト

リチャード・ハート(Richard Heart)として知られるインターネット・マーケッターのリチャード・シューラー(Richard Schueler)氏と同氏のプロジェクトであるHex、PulseChain、PulseXを米証券取引委員会(SEC)が提訴した影響で、31日早朝の一時2万9500ドルを超える高値から下落。また、ステーブルコインの分散型取引所カーブ(Curve)で発生した「エクスプロイト(脆弱性につけ込んだ攻撃)」による影響も受けている。

ビットコインはほかの暗号資産より良好

直近のビットコインのパフォーマンスは、イーサリアム(ETH)や他の主要なアルトコインを上回っている。イーサリアムは24時間で0.5%下落し、1853ドル(約26万円)で推移。ソラナ(SOL)、トロン(TRX)、ポリゴン(MATIC)はそれぞれ1.8%、2.3%、2.2%下落した。

カーブのネイティブトークンであるCRVは12.5%下落し、56セント(約78.4円)で取引されている。CRVは今年初めに1ドル以上で取引されていた。暗号資産市場全体のパフォーマンスを表すCoinDesk Market Index(CMI)は最近わずかに上昇した。

センチメントは改善

アルゴリズム取引プラットフォームCoinRoutesのCEO兼共同創設者であるデイブ・ワイズバーガー(Dave Weisberger)氏はCoinDeskに対し、Hex提訴後のアルトコインの下落傾向に触れたが、これは「資金の不正流用」に関わるものであり、市場全体で構造的に問題があることを示すものではないと述べた。

ワイズバーガー氏はまた、「一般的に、我々は夏の不振の時期にあり、ビットコインやイーサリアムの取引高は比較的少ない」とした上で、価格が最近下落したため、「大規模購入者」はビットコインを蓄えているようだと指摘。センチメントは改善したが、市場は待機状態にあるようだと述べた。

|翻訳:CoinDeskJAPAN
|編集:林理南
|画像:CoinDesk Indices
|原文:Bitcoin Lingers Near $29.2K, as Investors Mull Latest Industry Woes; CRV Sinks 12.5%