日足は一気に200日移動平均線近辺へ下落、弱気トレンド入りが示唆される【bitbankチャート分析】

ビットコイン週足

bitbnak.ccより作成

ビットコインの週足は先週(8月3週目)、-10.3%となりここ2ヶ月間の安値圏まで下落しました。終値は381万円でした。6月後半に450万円まで上昇して以降、値動きは上値が重くなり揉み合う展開となっていましたが、先週久々に大きな動きになりました。これまで400万円がサポートとなっていましたが、相場は底抜けし下方向へ動き出しました。週足は約2ヶ月間の移動平均線(8EMA)を下回り、弱気相場入りを示唆しています。相場は今後360万円近辺のサポートラインを試す動きになることが予想されます。

ビットコイン日足

bitbnak.ccより作成

上記は、30日、90日、200日の移動平均線を追加した日足チャートになります。先週まで日足は全ての移動平均線を上回っていましたが、現在は、200日移動平均線(黄線)近辺で推移しています。相場のトレンドがシフトする際は、価格が大きな変動を伴って200日移動平均を交差する動きが発生する場合が多くあります。今年の始めは日足が200日移動平均線を上回り、上昇トレンドが発生しましたが、現在はその逆となっています。先週の下落は弱気トレンド入りを示唆する動きとなっています。

先物取引・ロングポジション清算

glassnode.comより作成

先週の価格下落時の先物取引におけるロングポジションの清算額は記録的な水準となり、ここ1年間の最高値を更新しました。清算額は2億1000万ドルに上り、多くの投機筋のポジションがカットされました。トレンドの後半に大きな清算が発生するとトレンドが反転することがありますが、先週の清算は多くのトレーダーの相場感が間違っていたことを示してしており、トレンドの発生を示唆するものとなりました。

先物取引価格乖離・資金調達率

glassnode.comより作成

3ヶ月先の先物取引価格と現物価格の乖離率は、先週から下落していますが上乖離を維持しています。現在は4.7%の上乖離となり、まだ多くのトレーダーが今後の価格上昇を見込んだポジションをとっています。先週の5.7%からは下落していますが、今後もポジション調整の売りが予想されます。

glassnode.comより作成

無期限先物取引における資金調達率(FR)は、先週の価格下落時に多くの取引所でマイナスとなりましたが、現在は上昇傾向にあります。徐々にロングポジションの比率が回復していることを示しており、まだ安値で買おうとする投機筋がいるようです。ビットコイン価格はここ2ヶ月間の安値で推移するも、デリバティブ市場では、ロングに偏るポジション構成が継続しており上値の重石となる要因が見られます。

米10年国債金利週足

Tradingview.comより作成

アメリカの10年国債金利は足元で強い上昇トレンドが発生しています。現在は4.3%で推移しており、昨年の高値を更新しています。アメリカのインフレが長期化するとの見方から、金利が上昇しています。7月中盤からは6週連続で陽線となり、今週も上昇して取引されています。米国債金利の上昇は、金利がつかないビットコインへの投資需要を抑制させます。金利の上昇が一服しない限り、ビットコインが強く買われる相場は来ないでしょう。

|編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:bitbank