ビットコインの平均取引サイズ、6月以来の最高水準に上昇──グレイスケールの判決で

グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)のETF(上場投資信託)への転換を求めるグレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)の申請を却下したことを見直すよう米証券取引委員会(SEC)に命じた連邦裁判所の判決を受け、29日にはほとんどの取引所でビットコイン(BTC)の平均取引サイズが6月以来の最高水準に跳ね上がった。

大口トレーダーが積極的になっている可能性

暗号資産市場調査企業のカイコ(Kaiko)のデータによると、暗号資産取引所クラーケン(Kraken)でのビットコインの平均取引サイズは、判決後の29日に前日の約850ドル(約12万3250円、1ドル145円換算)から2000ドル(約29万円)を超えるほどに上昇した。ビットコインの平均取引サイズが2168ドルを超えたのは6月以来。

カイコのアナリストであるデシスラヴァ・オーベルト(Dessislava Aubert)氏は、「大口トレーダーがより積極的になっていることを示唆している可能性がある」と述べた。

ビットコインETFの承認に対して市場が確信を強める中、グレイスケールのニュースが報道された後にビットコイン価格は7%以上上昇し、29日午後には2万8000ドル(約406万円)を突破した。価格はその後、2万7900ドルをわずかに上回る水準まで下落した。

全体の取引量は急増していない

オーベルト氏は、「Terra以来最大の時間当たりの動きの1つだ(もう1つは8月17日の下落)。これは流動性が低いことも一因になっている」とし、「今のところ、全体の取引量はそれほど急増しておらず、8月17日の暴落以来の最高水準にある」と指摘した。

ビットコインは8月17日に約9%下落し、暗号資産(仮想通貨)取引大手バイナンス(Binance)で一時2万5000ドルを下回った。デジタル資産市場が今年最悪の下落に見舞われ、ビットコイン価格が2カ月ぶりの安値に下落したこの日、10億ドル規模の清算が発生していた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk/Kaiko
|原文:Bitcoin Average Trade Size Jumps to Highest Level Since June After Grayscale Ruling