SEC、すべてのビットコインETF申請に対する決定を延期

SEC(米証券取引委員会)は8月31日、すべてのビットコイン現物ETF(上場投資信託)の申請に対する決定を10月まで延期した。ブラックロック(BlackRock)、ウィズダムツリー(WisdomTree)、インベスコ・ギャラクシー(Invesco Galaxy)、ワイズ・オリジン(Wise Origin)、ヴァンエク(VanEck)、ビットワイズ(Bitwise)、ヴァルキリー・デジタル・アセット(Valkyrie Digital Assets)などが今年初めにビットコイン現物ETFを申請していた。

このニュースを受けてビットコイン(BTC)は下落し、当記事執筆時点、24時間で4.1%下落の2万6100ドル付近となっている(日本時間9月1日7時点には、2万5980ドル付近)。

SECは先月、ワイズ・オリジン(フィデリティ)、ブラックロック、インベスコ・ギャラクシーなど、暗号資産に注力した金融会社と伝統的金融会社の双方から提出された申請の審査を開始した。

だがSECは最終的な決定を保留し、代わりに既存のパブリックコメント期間を延長し、申請に対するより多くの一般からの意見を受け付ける。ワイズ・オリジン、ギャラクシー、ウィズダム・ツリーの新たな期限は10月中頃となる。

SECが承認または却下の最終決定を下す期間は、審査を開始してから240日。SECは過去、240日の期間を延長するために、パブリックコメントやレビューの期間を利用してきた。

今週初め、D.C.巡回控訴裁判所は、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)のETF転換を却下したSECのロジックの一部に「気まぐれ」かつ「恣意的」との判決を下した(グレイスケールと、米CoinDeskはともにDigital Currency Group傘下)。

判決を下したネオミ・ラオ判事は、SECの申請却下は2つのビットコイン先物ETFの承認と矛盾しており、原資産であるビットコインのスポット市場と先物市場の価格の間に「99.9%の相関関係」があることを考慮すると、2つのタイプのETFを異なるものとみなす理由を明らかにしていないと述べた。つまり、グレイスケールが提案しているETFは先物ETFと「実質的に類似」しているという主張が勝利した。

「第一に、(2つのETFの)原資産であるビットコインとビットコイン先物は密接に相関している。第二に、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)との監視共有協定はは同一であり、ビットコインとビットコイン先物の市場における不正行為や操作行為を検知できる可能性は同じであるはずだ」

SECは他のビットコインETF申請を却下する際にも、グレイスケールの申請を却下する際と同様の主張を行っている。控訴裁判所は、SECに申請の見直しを命じた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:SEC Delays Spot Bitcoin ETF Decision for All Applicants Including BlackRock, Fidelity