コインベース、機関投資家向け暗号資産レンディングサービス開発

米暗号資産(仮想通貨)取引大手コインベース(Coinbase)が、新たに機関投資家向け暗号資産レンディングサービスを開発した。ジェネシス(Genesis)やブロックファイ(BlockFi)などの破綻で生まれた空白を埋めるものだ。

新サービスの存在は、9月1日に米証券取引委員会(SEC)に提出された書類で明らかになった。すでに5700万ドル(約82億円、1ドル145円換算)を集めているという。

関係者によると、顧客はコインベースに暗号資産を貸し付け、融資額を上回る担保を手にすることができる。過剰担保は、万一の事態に備えた安全装置として機能する。

そしてコインベースは集めた暗号資産を機関投資家に貸し出す。これは銀行が提供している伝統的金融におけるプライム・ブローカレッジ・サービスに似たものだと関係者は語った。

金融システムをアップデート

ジェネシスとブロックファイは、アメリカで同様の融資サービスを提供していたが、昨年、巨額の損失を出し、破産を申請した。

今回の新サービスは2021年に中止した同社のサービス「Lend」とは異なる。Lendは個人顧客向けで、サービス開始前にSECからの警告を受けた。今回のサービスは十分な知識を持つとされる機関投資家向け、規制はより緩やかだ。

「このサービスにより、金融機関はレギュレーションD(SECへの登録義務の免除規定)の対象となるプロダクトにおいて標準化された条件のもと、デジタル資産をコインベースに貸し出すことができる」とコインベースの広報担当者は声明で述べた。

「コインベースは100年以上前に構築された金融システムをアップデートし、暗号資産を活用して人々に経済的自由とチャンスを提供することに取り組んでいる。この目的を推進するために、コインベースは最も信頼できる暗号資産プロダクトとサービスを開発し、10億人を暗号資産に参加させるために他の開発者を支援している」

|翻訳:清水マキ
|編集:増田隆幸
|画像:Coinbase
|原文:Coinbase Creates New Crypto Lending Service Geared Toward Large Investors