ロシア下院議員、デジタル・ルーブルが銀行を駆逐すると予測

ロシアのアナトリー・アクサコフ(Anatoly Aksakov)国家院(下院)議員は、ブロックチェーンの発展とともに、最終的にはデジタル・ルーブルが銀行の必要性をなくすだろうと語ったと地元メディアが9月5日に報じた

「銀行については、ブロックチェーンの発展とともに、その役割が薄れていくのではないかと思う」とロシア国家院銀行委員会の委員長であるアクサコフ氏は、AiF.Mediaクラブでの会合で語った。ただし、この国では銀行を廃止する計画はまだ立てられていない。

暗号資産(仮想通貨)を支えるインフラであるブロックチェーン技術は、暗号資産が主流になったおかげで、金融機関に広く受け入れられるようになった。さらに、ロシアを含むいくつかの国の中央銀行は、デジタル資産への回答として中央銀行デジタル通貨(CBDC)の検討を開始した。ロシア政府は銀行とデジタル・ルーブルの試験運用を行っている。

一方で、中央銀行はCBDCが銀行界に問題を引き起こすことを懸念している。

欧州通貨金融フォーラム(The European Money and Finance Forum)によると、限度額なしで預金者に直接行き渡るCBDCシステムは、「商業銀行からの多額の送金」をもたらし、金融安定リスクを増大させる可能性があるという。

現在、ロシア中央銀行はデジタル・ルーブルでの融資を可能にしてはいないが、アクサコフ氏は「より速く、おそらくより効率的に」融資が受けられるようになると考えているという。そうなれば、銀行はまったく必要なくなるとアクサコフ氏は付け加えた。

「意思決定はロボットによって行われるようになるので人間は必要ない。デジタルルーブルは高度に技術化されるため、銀行は機関として必要ではなくなる可能性が高い」とアクサコフ氏は締めくくった。

CoinDeskはロシア議会にコメントを求めている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Russian Lawmaker Predicts that Digital Ruble Will Displace Banks