ビットコインETFへの資金流入、暫定データではビットワイズとフィデリティが上位──グレイスケールからの流出は9500万ドルにとどまる

初期のデータによると、11日に取引が開始されたビットコインETF(上場投資信託)への現金流入額はビットワイズ(Bitwise)のBITBが最大で、フィデリティ(Fidelity)のFBTCがそれに続いた。BitMex Researchがブルームバーグのデータを引用してX(旧Twitter)に投稿した。

ブルームバーグ・インテリジェンスのETFアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏はXで、ほとんどの発行企業は12日の市場開始時点までには資金流入に関する暫定データしか共有しておらず、12日夕方までさらに遅れる可能性があると指摘した。資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)のリサーチ責任者、ジェームス・バターフィル(James Butterfill)氏は電子メールで、全容は週明けまで判明しない可能性があると述べた。

取引初日の純資産の増加は、ビットワイズのBITBが2億3800万ドル(約345億1000万円、1ドル145円換算)、フィデリティのFBTCが2億2700万ドルだった。

11日まで償還を認めないクローズドエンド型ファンドとして運営されていたグレイスケール(Grayscale)のGBTCからの流出額は9500万ドル(約137億7500万円)で、一部の観測筋の予想を下回った。

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェームス・セイファート(James Seyffart)氏がXに投稿したデータによると、ビットコイン現物ETFの初日の取引高は大きく、上位2位にあたるグレイスケールのGBTCとブラックロックのIBITを含め、1日で46億ドル(約6670億円)を記録した。

影響力と規模を考慮して新規発行されたETFの中で(1位ではないにしても)上位候補になると広く予想されていた世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のIBITでは、1億1000万ドルの流入が発生した。11日にはビットコインETFの中で2番目に大きい初日の取引高を記録していた。しかし、IBITのウェブサイトによると、IBITは11日の時点でビットコイン(BTC)を1億2000万ドル、さらに現金で1億1200万ドルを保有しているという。バルチュナス氏は、11日の流入の一部が12日のデータに現れる可能性があると指摘した。

1月11日木曜日時点のIBITの資産(ブラックロック)

ブルームバーグ・インテリジェンスのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏はXの投稿で、「間違いなくETF史上最大の初日の成功だ」とコメントした。

比較すると、プロシェアーズ( ProShares)の先物ベースのビットコインETFであるBITOは、暗号資産強気市場の最高潮付近で発売され、2021年10月の初日に取引高10億ドルで5億7000万ドルの流入をもたらした。

投資家が一部の資金をよりユーザーフレンドリーな現物ベースのETFに移した可能性が高く、BITOでは11日に約1億4000万ドルに相当する3000BTCの流出が発生したが、週単位では依然としてプラスの流入になっている。K33 ResearchがCoinDeskと共有したデータで示された。

11日のビットコイン現物ETFの発売は、従来の金融チャネルを通じてより簡単にアクセスできる形でビットコインへのエクスポージャーを提供し、主流の投資家がビットコインに投資しやすくするため、デジタル資産業界にとって重要なマイルストーンだと広く考えられていた。

業界ウォッチャーは、現物ETFを通じて時間の経過とともに数十億ドルの新たな資金がビットコインに流入すると期待していた。スタンダードチャータード(Standard Chartered)のアナリストらは、今年は現物ETFに500億〜1000億ドルの資金が流入する可能性があるとの予測を示した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Noah Silliman/Unsplash
|原文:Bitwise, Fidelity See Biggest Bitcoin ETF Inflow, Grayscale Loses Only $95M in Early Tally