中国の通貨危機はビットコインの重しとなる:暗号資産ウォッチャー

中国は、デフレ下での経済急落の脅威が長引く中で新たな通貨安に直面しており、不動産市場の低迷により海外投資家が資金を引き揚げている。

ある暗号資産(仮想通貨)ウォッチャーによると、この問題に対処するために中国政府が講じた最新の措置が外国為替チャネルを通じてビットコイン(BTC)に下落リスクをもたらしているという。

中国の措置がドル高につながる可能性

厳しく管理されている中国人民元(CNY)は対米ドルで1.39%、オフショア人民元(CNH)は1.25%下落した。トレーディングビュー(TradingView)のデータによると、中国のベンチマーク株価指数である上海総合指数は7%以上下落し、2020年3月以来の安値となった。

中国人民銀行(PBOC)は、管理変動制度を通じて人民元の価値を24通貨のバスケットに緩くペッグさせており、毎日公表される基準値の上下2%変動することを許容している。

ロイター通信によると、中国の国有銀行は22日、人民元を支えるためにオンショアでは米ドルを売却し、オフショア外国為替市場では流動性を引き締めた。オフショア人民元の流動性の指標となる1週間物香港銀行間取引金利は4.95045%まで上昇し、9月26日以来の高水準となった。

こうした措置は、広範な米ドル高、世界的な金融状況の逼迫、ビットコインやハイテク株などのリスク資産への投資家のエクスポージャーの縮小につながる可能性がある。

中国人民銀行が人民元を支えるために国内で米ドルを売却する際、外貨準備に占める米ドルの割合を安定させるために他の通貨に対して米ドルを購入するためだ。他の条件が同じであれば、この介入によってメジャー通貨に対する米ドルの価値を示すドルインデックスが押し上げられる可能性がある。

ビットコインはドルと逆相関

ビットコインは米ドルと逆相関の関係にあることが知られている。2023年第4四半期のビットコインの50%急騰は現物ETFへの楽観的な見方が大きな要因だったが、ドルインデックスが4.5%下落する中で起きている。

トロントに拠点を置く暗号資産プラットフォームFRNT Financialの国際流通責任者を務めるデイビッド・ブリッケル(David Brickell)氏はCoinDeskのインタビューで、「大手国有銀行が本日、人民元を下支えするためにドルを売り、人民元の流動性を引き締めて空売りコストを引き上げるために融資を縮小したことが観測された。外貨準備の比率を維持するためにドルが他の通貨に対して買い戻されることになるため、これは通常、より広範なドル高をもたらす」と指摘した。

さらに、「中国には、通貨安定の相対的なベールを維持し、資本逃避を阻止するためにビットコインの上値を抑え続けるインセンティブがある。人民元が圧力にさらされた際の過去のエピソードは、ビットコインのパフォーマンスの悪さと一致している」と説明した。

ドルインデックスは今月すでに1.8%上昇している。一方、ビットコインは今月初旬に4万9000ドル付近の高値を付けた後に4%下落して4万500ドルとなった。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Li Yang / Unsplash
|原文:China’s Currency Woes to Weigh on Bitcoin: Crypto Observer