イエレン財務長官、アメリカにはステーブルコイン規制の改善が必要だと発言

ジャネット・イエレン(Janet Yellen)米財務長官は6日の下院金融サービス委員会の証言で、政府の金融リスク監視機関はステーブルコイン発行体に対する連邦政府による最低限の監視、つまりニューヨークやテキサスなどの州が現在課しているものを上回る普遍的なコンプライアンス基準を設定するシステムを望んでいると表明した。

連邦規制当局の権限を支持

イエレン財務長官が率いる金融安定監視評議会(FSOC)は、「すべての州に適用される連邦規制の下限があることが重要であり、連邦規制当局はステーブルコイン発行体がそのような資産の発行を禁止されるべきかどうかを決定する能力を持つべきであると信じている」と述べた。

これがステーブルコインの規制をめぐるアメリカの法律の主なネックになっている。共和党議員は州規制当局の権限拡大を求めて戦ってきたが、民主党議員とイエレン財務省は連邦政府の権限については現状維持をしてきた。このような亀裂を考慮しても、金融サービス委員会は以前、民主党の一部の支持を得てステーブルコイン法案を承認しており、下院での採決を待っている。

共和党のパトリック・マクヘンリー(Patrick McHenry)委員長はその立法推進を主導しており、6日のイエレン財務長官に対する冒頭質問を利用してこの問題を提起した。

顧客資産のカストディ方法の制限に言及

イエレン財務長官はまた、投資会社が保有する暗号資産を含め顧客資産のカストディを行う方法をさらに制限するという米証券取引委員会(SEC)の提案にも言及した。SECが年内に完了させる予定のアジェンダに含まれているこの規則案は、より幅広い顧客資産を「適格カストディアン」で保管することを義務付けるもので、その潜在的な影響について銀行や一部の議員、さらには他の規制当局からも批判を呼んでいる。

イエレン財務長官は公聴会で、「銀行への影響については懸念があり、それについて議長と話し合わなければならなかった」と述べた。

FSOCは議会と暗号資産業界に対し、議員らがデジタル資産に対する新たな規制を義務付けることができなければ、FSOCは独自の行動を余儀なくされる可能性があると警告した。それには、業界に米連邦準備制度理事会(FRB)の監視を課すことが含まれる可能性がある。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Treasury Secretary Yellen Says U.S. Needs Better Stablecoin Regulation