チェーンリンク、1カ月で40%上昇──クジラが5000万ドルを手に入れる

暗号資産(仮想通貨)業界で現在最もホットなシナリオの1つは現実世界資産(RWA)のトークン化だ。それに関連して、ブロックチェーンのデータ「オラクル」(外部のデータをブロックチェーンに送ること、あるいはそうしたサービス)であるチェーンリンクのLINKの価格は過去30日間で約40%急上昇し、一部の暗号資産ウォレットは5000万ドル(約75億円、1ドル=150円換算)以上を手に入れたようだ。

オンチェーン分析ツールのLookonchainによると、俗に「クジラ」と呼ばれる大口投資家のひとつは、この間に49の新しいウォレットを使って暗号資産取引所バイナンス(Binance)から270万LINKを引き出した。そのとき、LINKの価格は22カ月ぶりの高値まで上昇し、時価総額は100億ドル(約1兆)に達していた。

Lookonchainによると、ウォレットの1つは過去10日間に900万ドル(約13億5000万円)以上のLINKトークンを取引所から送金したという。同社が作成した公開データベースによると、ウォレットはそれぞれ23万ドル(約3450万円)から350万ドル(約5億2500万円)分のLINKを保有している。

CoinDeskは、これらのウォレットが単一の所有者のものかどうかを確認することができてなかった。追跡アプリケーションのAkrhamとCryptoQuantでは、特定のカストディアンサービスや取引所にリンクしているというラベルは付いていない。

強気の理由

1月、K33 Researchのアナリストらは、ますます注目されているRWAトークン化のストーリーから利益を得る最も安全な方法はLINKだと述べた。 トークン化により、ゴールド、株式、不動産などの資産をブロックチェーン上でデジタルトークンとして取引できるようになる。 ボストン・コンサルタンシー・グループ(Boston Consultancy Group)によると、トークン化されたRWAの価値は2030年までに16兆ドル(約2400兆円)になる可能性がある。

同じく1月、チェーンリンクはそのCCIP(クロスチェーン・インターオペラビリティ・プロトコル)をステーブルコイン発行会社サークル・インターネット・フィナンシャル(Circle Internet Financial)のCCTP(クロスチェーン・トランスファー・プロトコル)と接続し、ユーザーがステーブルコインのUSDコイン(USDC)を簡単に転送できるようにした。この提携によって、開発者は支払いやその他のDeFiインタラクションを含む、サークルのUSDCが関与するクロスチェーン・アプリケーションを構築することができ、LINKのファンダメンタルズをさらに高めることになる。

コイングラス(CoinGlass)によると、LINKに結びついた未決済の先物契約にロックされたドル価値は、過去数カ月で2倍以上の5億2000万ドル(約780億円)になった。暗号通貨に換算すると、建玉は62%増の約3000万LINKに急増している。

建玉の増加は市場への新規資金の流入を意味する。建玉の増加とともに価格が上昇すれば、その傾向を裏付けると言われている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Chainlink
|原文:Whales Grab $50M in Chainlink’s LINK as Price Climbs 40% in a Month