ビットコイン、5万ドル超え

ビットコイン(BTC)の強気相場は、1月11日の現物ETFデビュー後、一時つまずいたものの、FOMO(機会を逃すことへの恐怖:Fear of Missing Out)のフェーズに入り、価格は2年以上ぶりに5万ドルを超えた。

ビットコインETFが取引開始後の数週間で数十億ドルの資金を集めても、投資家の関心は手数料の高いグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)から流出する数十億ドルに向いていたようで、ビットコインはETFデビュー後のわずか数日で3万8500ドルまで下落した。

しかし、ここ数週間では、GBTCからの資金流出が鈍化する一方で、ビットコインETFへの資金流入が続いている。2月8日、グレイスケールからの流出は1850BTCに留まり、それ以外の9つのETFは約1万1000BTCを集めた。さらに2月9日にはグレイスケールからは2252コインが流出したが、他の9つのETFは1万3000BTC以上を追加した。

ちなみに現在、新たにマイニングされるビットコインは1日あたり900BTC(4月に半減期を迎えると、1日あたり450枚になる)。

「暗号資産の冬」の終わり

ビットコイン価格は2021年11月に約6万9000ドルで史上最高値を更新した。2022年は、テラ(Terra)エコシステムの崩壊、暗号資産取引所FTXの崩壊とそれに続く、数多くの大手暗号資産関連企業の崩壊で大惨事となった。

ビットコインは史上最高値から約75%下落し、1万6000ドル強で2022年を終えた。他の多くの暗号資産はさらに大きく下落した。価格の下落や大手企業の崩壊と並行して、レイオフや事業閉鎖が業界全体に広がり、こうした傾向は2023年も続いた。

2023年は暗号資産市場にとって強気相場と記憶されるだろうが、ビットコイン価格は2023年の大半はかなり低調だった。10月1日、ビットコインは約2万7000ドル、年初から65%以上上昇したが、それ以前の高値を考えると比較的小規模な回復だった。

しかし、2023年第4四半期は、ビットコインETFの申請を何年も否定してきたSECが、ついに2024年初頭には承認するだろうという確信が高まった。ビットコインは2023年第4四半期に60%近く上昇し、4万2000ドルを超えて年を終えた。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Pushes Through $50K for First Time Since Late 2021