ブラックロック、RWAトークン化大手のセキュリタイズとファンド設立

米証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、資産運用大手のブラックロック(BlackRock)は「ブラックロック米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund)」と呼ばれるファンドを新設した。

英領バージン諸島を拠点とするこのファンドは、RWA(現実資産)トークン化企業のセキュリタイズ(Securitize)と共同で立ち上げられる。

提出書類では、ファンドがどのような資産を保有するかは明らかにされていないが、セキュリタイズの存在からRWAのトークン化、つまりブロックチェーン上で幅広い資産の所有権をトークン化することに関係していることが示唆される。ブラックロックの申請後、RWAプラットフォームを運営するオンドファイナンス(Ondo Finance)のネイティブトークンONDOは急上昇し、最大で20%、過去24時間で12%上昇。広範な市場を追うCoinDesk 20 Index(CD20)とビットコイン(BTC)を上回った。

イーサリアムネットワークのトランザクションを確認すると、サークル(Circle)が発行するステーブルコインUSDCおよそ1億ドル(約150億円、1ドル=150円換算)分が、セキュリタイズのデプロイヤーに関連するアドレスに移動されている。これは同ファンドへのシード投資の可能性があるが、詳細はわかっていない。

ブラックロックは1月のビットコインETF承認とともにデジタル資産領域へ進出し、これまでに150億ドル(約2兆2500億円)以上の資金を集めてきた。今回のファンド設立はそれに続く動きだ。同社は昨年、イーサリアムの現物ETFも申請している。

ブラックロックのラリー・フィンク(Larry Fink)CEOは1月のCNBCのインタビューで、ビットコインとイーサリアムのETFは「トークン化への足がかりに過ぎず、これが私たちの進むべき道だと確信している」と語った。

RWAのトークン化は、デジタル資産と伝統的な金融システムの交差点に位置する現在成長中の分野だ。伝統的な資産の所有権をブロックチェーン上で管理することで、決済の迅速化と効率性の向上が図れる。

|翻訳・編集:行武 温
|画像:(Jim Henderson, modified by CoinDesk)
|原文:BlackRock Creates Fund With Securitize, a Big Player in Real-World Asset Tokenization