香港でのビットコインスポットETF承認は「一大事」になる可能性:アナリスト
  • ロイターは4月10日、香港の規制当局は早ければ来週にもビットコインのスポット上場信託を承認するだろうと報じた。
  • あるオブザーバーは、国内の不動産や株式への投資に消極的な中国の投資家にとって、ビットコインスポットETFは代替手段となる可能性があると指摘した。
  • 一方、K33のアナリストは、「米国のビットコインスポットETFのような規模の資金流入を期待すべきではない」と述べた。

米国でのビットコインのスポット上場信託(ETF)に対する期待の高まりや、承認後の資金流入によって、ビットコイン(BTC)は史上最高値を更新した。以前まで暗号資産(仮想通貨)業界ではあまり知られていなかったが、香港の規制当局もビットコインスポットETFの承認に近づいているとことが報道によりわかった。

ビットコインスポットETFは、金や海外の不動産・株式に次ぐ新たな逃避先を探している中国人投資家に門戸を開く可能性がある。

マクロアナリストでニュースレター「Crypto Is Macro Now」の著者ノエル・アチェソン(Noelle Acheson)氏は、CoinDeskのメールインタビューで、「(香港でのビットコインスポットETFの承認は)一大事になるだろう」と述べた。

「というのも、香港に拠点を置くヘッジファンドやファミリーオフィスだけでなく、中国本土の投資家もアクセスも可能になるからだ」

中国の投資家は、広く報じられている国内の住宅市場、建設セクター、株式の問題から、国内の不動産や株式への投資に消極的だ。そのため、金のようなオルタナティブ資産への関心が高まっているとアチェソン氏は説明する。特に中国の金連動型ETFは、投資が殺到した結果、記録的な高値で取引されプレミアムが30%に達したことから、今週初めに取引が停止された。

同じように、「ビットコインに資金が大量流入する」可能性があるとアチェソン氏は述べ、元安・ドル高が加速する懸念が高まれば、ビットコインへの投資はさらに広まるだろうと付け加えた。

「中国当局は、ビットコインスポットETFの承認如何にかかわらず、国民の大部分が投資先を多様化するであろうと認識している可能性が高い。そうであれば、投資対象は米国経済に紐付いていないものの方が望ましいと考えるだろう」

シンガポールを拠点とする分析会社10xリサーチ(10x Research)の創設者マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は、ビットコインスポットETFは2013年の強気相場のように、中国の個人投資家の熱狂を後押しする可能性があると述べた。同年、ビットコインの人気が中国国内で急騰した結果、1月にはわずか10ドルだった価格が1000ドルを超え、その勢いは12月に中国政府が金融機関に対してビットコインの取り扱いを禁じるまで衰えなかった。

「中国人の70%は不動産を所有しているが、不動産市場と株式市場の両方が最近下落しているため、代替手段はあまりない」とティーレン氏は指摘する。

「ビットコインは数少ない代替手段のひとつだ」

ビットコインスポットETFの承認は、ビットコインにとってさらなる好材料となり得るが、米国で見られたような規模の資金流入を期待すべきではない、とK33リサーチ(K33 Research)のシニアアナリスト、ヴェトル・ルンデ(Vetle Lunde)氏は語る。

香港で上場している2本のビットコイン先物ETFは今年、BTC建てで資産を2倍以上に増やす堅実な成長を遂げているが、その規模を合計しても2000BTCに満たず、米国上場のビットコイン先物ETFのわずか2%に過ぎないと同氏は指摘する。

「香港の先物ETFの規模が米国に比べて小さいことから、スポットETFも米国で見られるような大規模な資金流入は期待できないのではないかと私たちは考えている」とルンデ氏は述べた。

|翻訳・編集:行武 温
|画像:Spot bitcoin ETFs could soon be coming to Hong Kong (Allan Watt/Flickr)
|原文:Hong Kong’s Incoming Spot Bitcoin ETFs Could Be ‘Big Deal.’ Here’s What Analysts Say