香港当局、暗号資産の現物・ETF投資への姿勢を転換

香港の金融規制当局は、暗号資産(仮想通貨)スポット商品の販売先をプロの投資家に限定していた以前のガイダンスを緩和し、仲介業者がより幅広い顧客にサービスを提供できるようにした。

香港の証券先物取引委員会(SFC)は10月20日の通達で「この方針は、最新の市場動向と、仲介業者を通じてのリテールアクセスをさらに拡大し、投資家が適切な保護措置のもとで仲介業者との間で暗号資産を直接入出金できるようにすることを求める業界からの問い合わせに照らして更新された」と述べた。

この規制変更は、ビットコイン(BTC)の上場投資信託(ETF)への関心が高まる中で行われた。最近、JPモルガン(JPMorgan)は、アメリカにおけるビットコインのスポットETFの承認は数カ月以内に行われる可能性があり、おそらくArk 21Sharesの申請の最終期限である1月10日よりも前に行われるだろうと述べた。これはまた、香港当局が暗号資産取引所JPEXをライセンスなしで運営していると非難して逮捕者を出し、ライセンス認可申請者の詳細を公表すると述べたあとでのことだ。

ここでの問題は、香港は海外のバーチャルアセット(VA)商品を「複雑」で特にリスクが高いと見なし、依然として避けたいと考えていることだ。

「複雑な商品とみなされるVA関連商品は、プロの投資家にのみ提供されるべきである」と通達には書かれている。「例えば、海外のVA非デリバティブETFは複雑な商品とみなされる可能性が高い」。

もう1つは、潜在的な顧客は、投資知識を判断するために一度テストを受ける必要があり、暗号資産取引に関連するリスクを引き受けるのに十分な純資産があることを確認する必要があるということだ。また、仲介業者は顧客にリスク開示説明書を提供する必要がある。

香港は6月に新たな規制体制を導入し、暗号資産取引プラットフォームのライセンス申請を受け付けたことで、暗号資産のハブになるという野心が明らかになった。香港は8月に最初のライセンスを交付し、取引所が個人顧客にサービスを提供できるようにした。これは、1年半にわたる暗号資産に対する敵意の後のUターンだった。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Hong Kong Reverses Stance on Spot-Crypto, ETF Investing, With a Catch