バイナンス創業者、禁錮4カ月
  • バイナンスの創業者チャンポン・ジャオ被告は禁錮4カ月の実刑判決を受けた。
  • バイナンスの違法行為について「被告が知らされていたという証拠はない」と裁判官は述べた。

暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の創業者で元CEOのチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)被告は4月30日、4カ月の実刑判決を受けた。

連邦判事は、司法省が数年の刑を求刑したことに対して、すぐに懐疑的な態度を示した。

判事はシアトルの連邦地方裁判所で、バイナンスの違法行為について「被告が知らされていたという証拠はない」と述べた後、司法省が推奨する量刑ガイドライン(懲役10~16カ月、最長3年の監視付き釈放)からの引き上げに同意しないと述べた。

「裁判所は被告が責任を受け入れたと判断する」(判事)

髪を短く切り、紺のスーツに水色のネクタイを締めたジャオ被告は、母親、妹、甥、息子に付き添われて出廷した。昨年の司法取引では、罰金5000万ドル(約79億円、1ドル158円換算)の支払いに合意。29日、ブルームバーグは同被告の資産は430億ドルにのぼると報じた。

「責任を取るための第一歩は、過ちを完全に認識することだと思う。(KYCプログラムを)完全に設定することに失敗した」と、ジャオ被告は判決を聞く直前に語った。

「私はまた、強固なKYC(/AML)プログラムを持つことの重要性も認識している。だからこそ、私はバイナンスに対して、米当局の捜査に協力するよう指示した」

同被告への量刑は、かつてのライバルだったFTXのサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)被告が受けた25年の刑とは対照的だ。

検察は30日、銀行秘密保護法(Bank Secrecy Act)は甘すぎると主張し、バイナンスの巨大な規模を、ジャオ被告が3年まで行かないまでも「意味のある」刑期を過ごすべき理由として指摘した。

「世界最大の暗号資産取引所を開設し、その過程で金持ちになるために、意図的かつ故意に米国の法律に違反することを計画した後に、ジャオ被告が投獄に直面しないのであれば……誰も投獄に直面することはなく、銀行秘密保護法は意図からも目的からも死文となるだろう」(検察)

具体的な証拠がなくても、被告は違法行為が行われていたことを理解できたことを判事は推察すべきだと検察は述べた。一方、ジャオ被告の弁護団は、同様のケースで収監された前例はない述べた。

さらに、ジャオ被告は政府に協力したと主張し、協力は「文書化」されており、司法省も認識していると述べた。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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|原文:Binance Founder Changpeng “CZ” Zhao Gets 4 Months in Prison