ゲームストップ株の上昇、ミームコインを再び浮上させる──PEPE, FLOKI, MOGなどが急騰
  • ミームコインは、2021年のゲームストップ株のショートスクイーズの一因となったオンライン上のパーソナリティと投資戦略を持つトレーダー、キース・ギル氏の投稿の後に急騰した。
  • ミームコインの急騰はマイクロキャップのトークンに限らず、ぺぺコインやフロキのような大型トークンにも影響を与えた。

2021年のゲームストップ(GameStop)株のショートスクイーズに貢献したカルト的人気を誇るトレーダー、キース・ギル(Keith Gill)氏の投稿により、週明けに一部の銘柄と暗号資産(仮想通貨)が急騰した後、主要なミームコインも14日に上昇した。

ゲームストップのオプションを買うことで、2019年から2021年の間に5万8000ドルを推定5000万ドルに変えたギル氏は、自身の@TheRoaringKittyというXアカウントから3年ぶりに投稿した後、株価の上昇に火をつけた。ギル氏が投稿した、たった1枚の写真が株価を急騰させ、ギル氏が直接ゲームストップに言及しなかったにもかかわらず、13日には何度も取引が停止した上、株価は2倍近くになった。

ゲームストップの陶酔は瞬く間にトークン市場にも広がった。ゲームストップ株、ギル氏、そして彼のオンライン上の人格に言及したいくつかのジョークトークンがソラナ(Solana)やイーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンに溢れ、GMEは500%も急騰した。

また、ギル氏が投稿したX-MENのキャラクター、ウルヴァリンが登場する動画によって、日和見主義的な開発者たちによって数十のウルヴァリンのトークンが売り出され、そのほとんどがその後の数時間で90%以上下落した。

こうした動きはマイクロキャップのトークンに限ったものではない。ペペコイン(PEPE)とフロキ(FLOKI)、そしてネコをテーマにしたトークンであるポップキャット(POPCAT)とモグ(MOG)は、過去24時間で30%も急騰した。このような復活は、比較的小康状態の取引が数週間続いた後、暗号資産市場にリスク選好が戻ってきたことを示す初期の兆候だ。

ミームトークンは5月14日に急騰し、MOG、POPCAT、PEPEが上昇を牽引した。(CoinGecko)

ギル氏の投稿は、ゲームストップ株が1カ月で4ドルから120ドルまで上昇した後に起きた2021年と同様の、一部のトレーダーの間でドージコイン(DOGE)の上昇に関する話題を再燃させた。

「ロアリングキティ(Roaring Kitty)は一般投資家が最高レベルで金融機関を圧倒できるという生きた証拠だ」とMOGトークン開発者のShisui氏はメッセージでCoinDeskに語った。「2021年のゲームストップの熱狂の多くがDOGEや他のミームコインに波及したことを市場が覚えていたため、彼の復帰はミームコインにとって強気だと受け止められた」。

「真のリスクオン環境には程遠いものの、ロアリングキティのカムバック後の値動きは、活況が戻ったときにどの資産がアウトパフォームするかを示唆している。市場は手の内を見せ、MOGを欲しがっているんだ」とShisui氏は付け加えた。

開発者やトレーダーに影響力をもたらすギル氏の魅力の源は、彼が富を築いたことだけではない。 一人のトレーダーが寝室から一般に公開されているツールを使ってヘッジファンドを倒せるということだ。

それがミームトークンの世間の受け入れに貢献し、以前のサイクルと比較して、このセクターを分散型金融(DeFi)やユーティリティ暗号資産プロジェクトの強力な候補にしたと一部の人は見解を述べている。

「業界は、ミームが楽しく、共感でき、愉快で、平均的な人々を代表するものであることを理解し始めたばかりだ」とフロキの主任開発者であるB氏はCoinDeskへのメモで述べた。「リテールの大多数はミームコインに群がり、飽きられた古い『ユーティリティ』暗号資産プロジェクトを無視している」。

「多くの人が『ミームコインを取り巻くファンダメンタルズの欠如』とミームコインが注目され続けていることの意味を心配しているが、ミームコインへの強い関心は、私が数年前に予測していたことだ」とB氏は述べた。彼は、フロキは現在、単なるミームとしてトークンを購入したオーディエンスを魅了するユーティリティ製品に注力していると話している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:FLOKI(Shutterstock)
|原文:GameStop Rally Sends Meme Coins Skywards; PEPE, FLOKI, MOG Surge