アメリカの基金、暗号資産に傾斜:フィナンシャル・タイムズ
  • パンテラ・キャピタルのゼネラルパートナー、フランクリン・ビ氏は、わずか5年前には暗号資産への「最小限の参加」を報告していた基金や財団からデジタル資産に向けられた関心に「大きな変化」があったと指摘した。
  • エモリー大学は10月、グレイスケールのビットコインETFを数百万ドル保有していることを開示した。一方、オースティン大学は5月、500万ドルのビットコインファンドを募ると発表した。

フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)は9日、デジタル資産が最高値を更新する中、アメリカの基金が暗号資産(仮想通貨)へのエクスポージャーを増やしていると報じた。

パンテラ・キャピタル(Pantera Capital)のゼネラルパートナー、フランクリン・ビ(Franklin Bi)氏は、わずか5年前には暗号資産への「最小限の参加」を報告していた基金や財団からデジタル資産に向けられた関心に「大きな変化」があったと指摘した。パンテラ・キャピタルはCoinDeskのコメント要請に応じなかった。

ビットコイン(BTC)は、2020年の約7000ドルから約9万7900ドル(約1517万円、1ドル155円換算)まで高騰した。ビットコインETF(上場投資信託)の導入や暗号資産に好意的なドナルド・トランプ米大統領の選出により価格が史上最高値を更新したため、機関投資家はチャンスを逃すことを恐れ始めている。

ジョージア州に拠点を置くエモリー大学(Emory University)は10月、グレイスケール(Grayscale)のビットコインETFを数百万ドル保有していることを開示した。また、オースティン大学(University of Austin)は5月、同大学の2億ドルの基金に寄与する500万ドル(約7億7500万円)のビットコインファンドを募ると発表した。48億ドル(約7440億円)規模のロックフェラー財団(Rockefeller Foundation)は暗号資産へのエクスポージャーを増やすかどうかを検討している。同財団は2023年に暗号資産ベンチャーファンドに投資している。

ロックフェラー財団の最高投資責任者であるチュン・ライ(Chun Lai)氏はフィナンシャル・タイムズに対し、「それら(暗号資産)の将来性が劇的に実現したときに取り残されたくない」と述べた。同財団はCoinDeskのコメント要請に応じなかった。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Mitchell Kmetz/ Unsplash
|原文:U.S. Endowments Are Leaning Into Crypto: FT