
- コインベース・アセット・マネジメント(Coinbase Asset Management)は、米国以外の機関投資家向けに、年率4%~8%のリターンを目標とするビットコイン・イールド・ファンド(Bitcoin Yield Fund)をローンチする。
- 同ファンドは当初、ベーシストレードを通じて利回りを生み出し、その後、レンディングやオプション戦略の活用も予定している。
- ベーシストレードはビットコイン先物とスポット価格のスプレッドから利益を得るが、市場のボラティリティが急上昇した場合にはリスクを伴う。
コインベース・アセット・マネジメントは、機関投資家が保有するビットコイン(BTC)から利回りを受け取るための新しいファンドを展開する。
4月28日のプレスリリースによると、米国以外の機関投資家向けに5月1日にローンチされるコインベース・ビットコイン・イールド・ファンド(Coinbase Bitcoin Yield Fund)は、年率4%から8%の純リターンを目指している。
このファンドを支援する企業のひとつで、アブダビを拠点とするアスペン・デジタル(Aspen Digital)は、当初はベーシストレードを通じて利回りを創出し、将来的にはレンディングやオプション戦略も活用すると述べた。
ビットコインのベーシストレードは、先物市場とスポット市場のスプレッドを利用するものだ。2024年の終わりにかけ、ヘッジファンドが過去最高の142億ドル(約2兆円、1ドル=143円換算)のビットコインショートポジションを計上し、同時にビットコイン現物ETF(上場投資信託)を購入したことで人気となった。
この戦略は両市場のスプレッドに応じて利回りを生むが、リスクとは無縁ではない。例えば、ビットコイン先物商品で10億ドルをショートし、ビットコイン価格が急騰した場合、清算を避けるために証拠金を追加し続ける必要がある。
また、取引が混み合うと、スプレッドとその後の利回りが非常に少なくなる可能性がある。このため、今年初めにはすでに多くのヘッジファンドが取引から撤退し、シカゴ・マーカンタイル取引所でのショート額は84億ドルと、4カ月前の142億ドルから減少している。
コインベースの新商品は、2019年にローンチされたものの、2022年に価格暴落とともに最終的に失敗した元暗号資産レンディングプロトコル、ブロックファイ(BlockFi)の利回りプラットフォームを思い起こさせる。
しかし、ブロックファイのファンドはコインベースの最新商品とは異なり、より低リスクのベーシストレードではなく、レンディングを通じて利回りを生み出していた。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Coinbase Targeting 4%-8% Returns With New Bitcoin Yield Fund