デジタル作品の流通管理をブロックチェーンで──ペンタブのワコムとスタートバーン

ペンタブレットで制作したデジタル作品が、制作者の権利を保護しながら販売、流通できるようになる──。

ペンタブレット大手のワコムが、デジタルアート作品の真贋証明や流通管理、二次流通からの利益還元を実現する基盤をブロックチェーンを用いて構築することを明らかにした。ブロックチェーン企業スタートバーンと協力した取り組みで、両社が11月26日に発表、27日にはイベントを開催した。

複製容易なデジタル作品を「本物」と証明する仕組み

基盤にはスタートバーンが開発する「アート・ブロックチェーン・ネットワーク(ABN)」を活用する。ワコムが持つデジタル署名認証技術を用いて、デジタルアート作品やその証明書に署名を組み込んで作品証明とし、制作者の権利を保全して流通させる仕組みを作る。

ワコムとスタートバーンの連携イメージ
ワコムとスタートバーンの連携イメージ

デジタル作品は複製が容易なため、作品が「本物」であると証明した形で流通させることは困難だった。この仕組みを使えば、ワコムのペンタブレットで描いた絵画やイラストなどのデジタル作品を、制作者の権利を保護しながら販売、流通できるようになる。作品の二次流通からも制作者に利益を還元できるようにもなる。

スタートバーンCEOの施井泰平氏は11月27日、都内でワコム主催のイベント「コネクテッド・インク」に登壇し、ABNについて説明。「クリエイティブの世界を広げていきたい」などと述べた。

文・写真:小西雄志(写真はイベントに登壇した代表取締役社長兼CEOの井出信孝氏)
編集:濱田 優