XRPの初期投資家による利益確定が急増
  • XRPが2ドルを上回ったことで、初期投資家にとって300%以上の上昇となり、利益確定売りが増加している。
  • オンチェーンデータによると、XRPウォレットの実現利益は6880万ドルに達し、トークンが抵抗レベルを試す中、売り圧力が高まっていることを示している。
  • 規制面での前向きな進展やリップルのインフラ拡大にもかかわらず、XRPは長期保有者による供給過剰に直面しており、2.20ドルを上回るには困難な状況にある。

エックス・アール・ピー(XRP)は現在のサイクルにおいて主要暗号資産(仮想通貨)の中でも最も力強い上昇を見せているが、初期の個人投資家は水面下で撤退に向かっている。

現在、XRPは2ドル以上で取引されており、これは2024年10月の上昇前の水準の3倍以上だ。過去8カ月間、XRPは最も好調な大型トークンの一つとなっている。60セント以下で購入した投資家は300%以上の利益を手にしており、利益確定の動きが急増している。

Glassnodeのオンチェーンデータによると、XRPウォレットの実現利益の7日単純移動平均(SMA)は今月初めに6880万ドル(約99億7600万円、1ドル=145円換算)に達し、1年以上ぶりの高水準となった。これは、トークンが2021年のピーク直下の重要な抵抗線を試す中、早期に蓄積した投資家が強気相場で利益確定を行っていることを示す明確な兆候だ。

こうした利益確定圧力は、複数の強気なニュースやテクニカルな追い風にもかかわらず、XRPが最近のセッションで2.20ドルを突破できなかった理由を説明するものと言えるかもしれない。

アメリカの規制の明確化と、リップル(Ripple)によるトークン化資産インフラへの進出拡大に支えられ、全体的な状況は依然として良好であるものの、短期的な価格変動は長期保有者による供給過剰を反映している。

最近のCryptoQuantの分析によると、アルトコイン(BTCとETHを除いた暗号資産)の1年間の累計売買相場数量差(投資家フローの指標)は現在、マイナス360億ドル(約5兆2200億円)となっている。これは、この指標が一時的にプラスに転じ、アルトコインのピークを示した2024年12月からは大きく反転している。

[CryptoQuant]

それ以来、一方的な下落が続いており、「アルトコイン投資家は姿を消している」と、CryptoQuantの独立系アナリスト、ブラク・ケスメチ(Burak Kesmeci)氏は6月19日の投稿で述べた。

XRP、SOL、そして実世界資産(RWA)に紐づく一部のナラティブトークンには若干の上昇局面が見られるものの、アルトコインのエコシステム全体は依然として弱気相場から抜け出せていないと同氏は指摘した。

リスク選好が回復するか、レイヤー1、分散型金融(DeFi)、ゲームへの資金流入が戻らない限り、「アルトコインの季節」への期待は夏まで薄れ続ける可能性がある。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:XRP Early Buyers Accelerate Profit-Taking as Regulatory Wins Bolster XRP Ecosystem