違法なオンチェーン活動の大半はステーブルコイン関連:FATF
  • 金融活動作業部会(FATF)によると、違法なオンチェーン活動の大部分は現在、ステーブルコインに関連したものが占めている。
  • FATFは、詐欺や不正に関連するオンチェーンでの違法活動は2024年、約510億ドル相当に上ったと推計している。
  • FATFは、資金洗浄(マネーロンダリング)とテロ資金供与を防止するため、「トラベルルール」遵守の重要性を強調した。

金融犯罪の国際監視組織、金融活動作業部会(FATF)によると、違法なオンチェーン活動の大部分は現在、ステーブルコインに関連したものが占めている。

FATFは、資金洗浄対策(AML)とテロ資金供与対策(CFT)に関する新たな報告書で、ステーブルコインの広範な普及は不正資金調達リスクを拡大させる可能性があり、特に異なる管轄区域間での扱いが異なる場合、そのリスクがさらに高まると指摘している。

FATFは、詐欺や不正行為に関連する違法なオンチェーン活動は2024年、約510億ドル(約7兆3000億円、1ドル=144円換算)相当に上ったと推計している。

法定通貨などの伝統的金融資産の価値に連動したトークンであるステーブルコインは、米国をはじめとする地域での規制の進展により、ここ数カ月間で追い風を受けている。

ステーブルコインの総時価総額は今月、初めて2500億ドルを突破した。

FATFは、資金洗浄とテロ資金供与の防止において「トラベルルール」の遵守が重要であることを強調した。トラベルルールは、国境を越える支払いの送金者および受取人に関する情報の共有に関する一連の要件である。

99の管轄区域がトラベルルールを実施する立法を可決済み、またはその過程にあることを指摘しつつ、FATFは、それでも仮想資産サービス提供者(VASP)活動を行う自然人または法人を特定する際に困難に直面していると述べた。

暗号資産AMLを手がけるNotabeneは、4月に発表した報告書で、ほぼすべての暗号資産企業がトラベルルールに準拠すると予想している。

Notabeneは91のVASPを対象に調査を実施し、90%が2025年の半ばまでに完全準拠すると回答し、すべてが年末までに完全準拠すると回答した。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:satheeshsankaran/Pixabay
|原文:Most Illicit On-Chain Activity Now Involves Stablecoins: FATF

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