コインベース株、2021年のナスダック上場以来の最高値を更新

- コインベースの株価は、4年前の株式市場への上場以来の高水準に急騰し、今年4月の安値から2倍以上となった。
- この暗号資産取引所は、ステーブルコインの採用と米国規制の進展を背景に、暗号資産市場における長期的な勝者として位置付けられている。
- 一部のアナリストはコインベースの目標株価をさらに引き上げ、さらなる上昇余地があると予測。
暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)の株価は26日、2021年4月のナスダック上場以来の高水準に上昇し、2022年の暗号資産の冬のどん底に90%以上急落した株価が、ほぼ元の水準に戻った。
コインベース株は26日に382ドルに達した後、上昇幅を縮小し、5.5%高で取引を終えた。株価は4月の関税発動に伴う市場パニックで急落して以来、2倍以上となった。
コインベースの2021年の上場は、デジタル資産業界にとって転機となる瞬間だったが、同時に暗号資産のピークを告げるものでもあった。コインベース株は382ドルまで上昇した後、2022年の長引く弱気相場の中で90%以上下落した。
現在、投資家は、ステーブルコインの採用拡大や機関投資家の参入、米国規制の明確化によって特徴づけられる暗号資産の成長の次のフェーズにおいて、コインベースを長期的な勝者として位置付ける傾向が強まっている。
コインベースは最近、グローバルコマースにおける同取引所の存在感拡大を目指した新サービス「コインベース・ペイメンツ(Coinbase Payments)」をローンチ。コインベースのイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ネットワーク「ベース(Base)」上に構築されたこのプラットフォームにより、小売業者はブロックチェーンの専門知識がなくても、24時間365日ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」による決済を受け付けることができる。同取引所は、同サービスはすでにShopifyなどのプラットフォームと統合されていると述べた。
コインベースは、急成長しているステーブルコインセクターの恩恵も受けており、ステーブルコインUSDCの発行企業サークル(Circle)と収益分配契約を結び、準備金から生じる利息収入の一部を受け取っている。
より幅広い背景も支えとなっている。S&P500とナスダック株価指数は史上最高値を更新し、ロビンフッド(Robinhood)などの暗号資産関連企業も投資家の関心を再び集めている。
一部のアナリストは、さらなる上昇を予想している。
ベンチマーク(Benchmark)はコインベースの目標株価を421ドルに引き上げ、同取引所はステーブルコインやデジタル資産市場構造を規制する法案など、今後成立する可能性のある米国の法律を利用する好位置にいると述べた。
一方、バーンスタイン(Bernstein)はより野心的な510ドルの目標を設定しており、コインベースを暗号資産の新生の「ユニバーサルバンク」と評し、小売ユーザー、機関投資家、オンチェーンインフラをグローバル規模でつなぐ存在だとしている。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:コインベースのブライアン・アームストロングCEO(Nikhilesh De/CoinDesk)
|原文:Coinbase Comes Full Circle, Soars to Highest Price Since 2021 Nasdaq Debut