リミックスポイント、代表取締役社長の役員報酬を全額ビットコインで支給へ──国内上場企業初の試み

ビットコイン(BTC)保有戦略を強めるリミックスポイントは7月8日、同社代表取締役社長の役員報酬を全額ビットコインで支給すると発表した。国内上場企業で、代表取締役社長の報酬全額を暗号資産で支払うのは初の試みになるという。
今回の決定の背景について同社は、「ビットコインを通じて、経営者自身が株主の皆様と経済的な運命を共にすることにより、株主の皆様と経済的価値を共有する体制を構築します」とコメントしている。
同社は6月26日に開催された株主総会を経て、髙橋由彦氏に変わる新たな代表取締役社長CEOとして、SBIグループの暗号資産取引所ビットポイントジャパンの前代表取締役社長で現会長の田代卓氏が就任したと発表していた。
リリースによると、株主総会では「経営陣が株式を保有し、株主と同じ目線で経営にあたるべき」との意見が複数の株主から寄せられたという。しかし、インサイダー取引規制などの観点から、上場企業の経営陣が適時に自社株を保有することには難しさがある。
そこで同社は、同社の株価がビットコイン価格と連動する傾向がある特徴に着目。代表取締役社長が全額ビットコインで役員報酬を受け取ることで、株主と経済的リスクとリターンを共有する、新たな形の「株主視点経営」を実現するとしている。
田代氏は今回の決定についてリリースに、「代表取締役社長である私が、自らの報酬を全額ビットコインで受け取るという意思決定は、株主の皆様と“同じ船に乗る”という意思表示です」とコメントしている。
なお、同社は支給の方法に当たって、会社法と税務上の適切な整理を踏まえ、形式上はまず日本円で支給するという。そのうえで、支給額の全額に相当する日本円を用いて、同額相当のBTCを市場価格で取得し、指定のウォレットへ受け渡すとしている。
同社はビットコイン保有に関する定期的な開示も行っており、現時点での保有量は約1051BTCとみられる。今回の報酬支給の決定が、同社のBTC保有方針とどのように連動していくか、今後の動向にも注目が集まる。
|文:橋本祐樹
|画像:リミックスポイントのホームページから(キャプチャ)