価格が横ばいを続ける中、ビットコイン強気派は新たな企業財務戦略に注目

- 幅広く利用されているコラボレーションデザインツールを手がけるFigma(フィグマ)は先週、IPOを通じた上場申請の書類の中で、7000万ドル相当のビットコインETF(上場投資信託)を保有していること、さらに3000万ドル相当の現物ビットコインの取得を計画していることを明らかにした。
- 「これが企業運営の未来の姿だ」と、著名なビットコイン投資家兼メディアパーソナリティのマーティ・ベント(Marty Bent)氏は述べた。
- ビットコイン価格が最近、記録的な水準をわずかに下回る水準で推移していることは、大規模な売り圧力にもかかわらず非常に強い需要が存在することを示している。
コラボレーションデザインツールを手がけるFigmaは先週、新規株式公開(IPO)を通じた上場申請を行った。
フォーチュン500企業の95%が利用し、直近12カ月間で8億7100万ドル(約1280億円、1ドル=147円換算)の売上高(前年比49%増)を計上するFigmaは、7000万ドルのビットコイン(BTC)ETF保有を公表するとともに、3000万ドルの現物ビットコイン購入に対する取締役会からの承認も明らかにした。
この件に関し、ビットコインメディア企業TFTCの創業者で、ビットコインベンチャー企業Ten31のマネージングパートナーであるマーティ・ベント(Marty Bent)氏は、「これが道だ」と題した記事を発表した。
「Figmaは極めてよく運営されている企業であり、シリコンバレーの寵児の一社であり、私が知るすべてのデザイナーが日常のワークフローで利用している製品を手がけている」とベント氏は述べ、次のように続けた。
「Figmaの創業者、取締役会、財務チームがビットコインETFと現物ビットコインへの投資を行おうという先見の明を持っていることは、極めて強気なシグナルである」。
最近ビットコイン財務戦略を発表している多くの企業(そのほとんどが実質的に事業を行っていない)とは異なり、Figmaは実際に人々が利用し愛する製品を展開し、その利益の一部をビットコイン投資に充てている。
ベント氏は、同様の戦略を採用している他の非上場企業が、今後12~18カ月以内に上場する可能性があると推測している。
「思ってもみなかった企業が、バランスシート上にビットコインを保有していることを明らかにするという事例が一定の数に達すると、他の企業にとっても当たり前のこととなるだろう」と、ベント氏は結論付け、次のように続けた。
「ビットコインと無関係なスタートアップであっても、バランスシートにビットコインを保有しないことは『賢明でない』ことになるだろう」。
現在の価格動向
ビットコイン強気派は、上場企業や現物ETFからの買い圧力に関する見出しが続いているにもかかわらず、価格の上昇が見られないことに不満を募らせている。
しかし、莫大な含み益を抱える長期保有者からの絶え間ない売り圧力は、ほとんど報道されていない。
ビットコインアナリストのジェームズ・チェック(James Check)氏はベント氏との会話の中で、この売り圧力が1日あたり4万BTCという驚異的な水準に達したと推定した。
市場がそのような売り圧力を吸収し、価格が10万7000ドルを上回って推移していることは、極めて強気な兆候と捉えるべきだとチェック氏は指摘し、ペーパービットコイン(ビットコインの直接所有を伴わないビットコインデリバティブ)の発行による価格抑制の証拠とは見なすべきではないと述べた。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:Bitcoin Bull Mulls Different Kind of Corporate Treasury Strategy as Prices Continue on Hold