ビットコイン、11万ドル突破で史上最高値更新目前──6%急騰のイーサリアムが主要暗号資産をリード
  • ビットコインは11万1400ドルまで急騰し、広範な暗号資産(仮想通貨)ラリーの中、5月に記録した史上最高値11万2000ドルに迫る勢いを見せた。
  • イーサリアムは6%急騰して2760ドルに達し、約1カ月ぶりの最高値を記録した。
  • バイトツリー(ByteTree)のチャーリー・モリス(Charlie Morris)氏は、最近の静かな上昇傾向とボラティリティの低下は、次の上昇局面の予兆である可能性があると指摘した。

ビットコイン(BTC)は米国時間7月9日午後、最近の非常に狭い取引レンジを突破し、5月に記録した11万2000ドルの史上最高値を突破する目前まで値上がりした。

バイナンス(Binance)、コインベース(Coinbase)、ビットスタンプを(Bitstamp)含む一部の取引所では、ビットコインは一時的に米ドル建てで史上最高値を記録したが、その後11万1000ドル付近まで後退した。

しかし、CoinDesk、CoinGecko、CoinMarketCapを含む価格データ集計サイトによると、ビットコインは5月22日の最高値をわずかに下回る水準に留まった。

この値動きは、イーサリアム(ETH)が6%高の2760ドルと、1カ月ぶりの高値を記録した広範な暗号資産ラリーの中で見られた。ビットコインは当記事執筆時点では、2.4%高の11万1400ドルで取引されている。

CoinGlassのデータによると、9日の急激な上昇局面において、暗号資産デリバティブ全体で約4億2500万ドル(約620億円、1ドル=146円換算)相当のレバレッジを効かせたショートポジションが清算された。

ビットコインにとってここ数週間、11万ドル付近のレベルは重要なバリアとなっており、価格がそのレベルに近づくたびに投資家が利益確定を行い、ショートポジションが積み重なる状況が続いている。

暗号資産関連株では、ストラテジー(Strategy)は4.4%上昇し414ドルと、2025年の最高値に数ドル届かない水準(ただし昨年11月に記録した史上最高値543ドルを依然として大幅に下回る)となっている。

コインベース(Coinbase)は5%上昇している。ビットコインマイナーのマラ・ホールディングス( MARA Holdings)とライオット・プラットフォームズ( Riot Platforms)はそれぞれ、約6%上昇している。

それでも、市場観測筋は、この緩やかで静かな上昇が強気相場の予兆となる可能性を指摘している。

「暗号資産は非常に静かだが、ビットコインは動き出す準備が整っている」と、バイトツリー(ByteTree)の最高投資責任者(CIO)チャールズ・モリス氏はレポートで主張した。

モリス氏は、ビットコインのボラティリティが着実に低下している点に言及し、このパターンは歴史的に大きな上昇局面の前兆となってきたと指摘した。

ビットコインの90日間(黒)と360日間のボラティリティ(ByteTree)

「次の上昇に向けた展開は順調そうだ」とモリス氏は述べ、「繰り返し言っているように、静かな強気派が最も信頼できる」と続けた。

LMAXグループ(LMAX Group)の市場戦略家、ジョエル・クルーガー(Joel Kruger)氏は、イーサリアムが重要なテクニカルサポート水準を上回っている点と、決済インフラや資産トークン化におけるイーサリアムの今後の役割に賭けるロング専門の機関投資家からの需要拡大を指摘した。

デジタル資産管理会社バイトワイズ(Bitwise)のアナリストらも同様の見解を示し、過熱するトークン化トレンドにおいて賭けるべき「最もクリーンな」トークンのひとつとしてイーサリアムを挙げたと、デジタル資産メディアのThe Blockが報じた。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:CoinDesk Research
|原文:Bitcoin Tops $111K, on Brink of Breaking Record High; Ether’s 6% Jump Leads Major Cryptos