ETH、年末までに1万5000ドルも──イーサリアムはウォール街の人気ブロックチェーンに:トム・リー氏
  • ウォール街は暗号資産に集結しつつあり、イーサリアムは機関投資家に好まれるブロックチェーンとなるための好位置につけていると、ファンドストラットとビットマインのトム・リー氏は述べた。
  • ETHは「著しく過小評価されており」、ステーブルコインの利用急増と現実資産のトークン化の恩恵を受けているとリー氏は述べた。
  • ETHが短期的に4000ドルに達し、年末までに1万~1万5000ドルに達する可能性があると、ファンドストラットのアナリストらは予測。

ファンドストラット(Fundstrat)の共同創業者で、イーサリアム(ETH)財務企業ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(BitMine Immersion Technologies)の会長であるトム・リー(Tom Lee)氏は、シリコンバレーが人工知能(AI)を受け入れたのと同じように、機関投資家がブロックチェーンの可能性に気付き始めたことで、ETHはブレイクアウトの間際にあるかもしれないと述べた。

「ステーブルコインは、暗号資産(仮想通貨)に『ChatGPTの瞬間』をもたらした」とリー氏はCoinDeskTVのインタビューで述べた。この資産クラスは、銀行、小売業者、消費者の共感を得る決済の代替手段として、シンプルで拡散性のあるユースケースを示していると同氏は説明した。

約2500億ドル(約36兆7500億円、1ドル147円換算)相当のステーブルコイン供給量の50%を超える市場シェアを誇り、資産トークン化の重要なハブとなっているイーサリアム(Ethereum)は、多くの機関投資家が構築や利用のために好んで使うチェーンとなる可能性があるとリー氏は述べた。

「ウォール街は、米国で法令を遵守して運営されているチェーン、そしてすでに多くの現実資産(RWA)が存在する大規模なチェーンを探している」とリー氏は述べた。「だからこそ、イーサリアムが極めて重要な存在になりつつある」

ビットコイン(BTC)のデジタルゴールドとしてのナラティブは依然として健在だが、イーサリアムが、機関投資家が金融資産をトークン化するネットワークとなることで、ETHは今後数年間でさらに上昇する余地があるとリー氏は主張した。

ファンドストラットのアナリストらは、ETHの短期的なテクニカル目標値を4000ドルと設定し、「フェアバリュー(適正価格)」は年末までに1万~1万5000ドル程度になる可能性があると指摘した。

「ETHはトークンとして著しく過小評価されていると我々は考えている」とリー氏は述べた。「そのため、10倍以上に値上がりする可能性のある資産を取得することは、資金の非常に良い使い方だ」

かつてはBTCマイナーだったビットマインは、リー氏が会長に就任したことでETH財務戦略に転換し、すでにこの仮説に対して多額の投資を行っている。

同社は先週、オプションを含め30万ETH超を蓄積したと発表し、これは現在の価格で10億ドル(約1470億円)をはるかに超える価値がある。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:ファンドストラット・キャピタルの共同創業者兼CIOで、ビットマイン会長のトム・リー氏(CoinDesk)
|原文:Tom Lee Sees Ether Hitting $15K, With Ethereum Emerging as Wall Street’s Favored Blockchain