イーサリアム、4400ドルに到達するか──急騰の可能性を示唆する隠れたシグナル

- デリビット(Deribit)に上場されているイーサリアム・オプション市場におけるディーラーのネットガンマ・エクスポージャーは、4000ドル~4400ドルの間でマイナスとなっている。
- このダイナミクスは、自己増強的な好循環を生み出し、4400ドルへの急速な上昇につながる可能性があると、ある市場ウォッチャーは述べた。
デリバティブ市場から発せられる隠れたシグナルは、イーサリアム(ETH)の値上がりが拡大し、価格が4400ドルへと急速に押し上げられる可能性を示唆している。
注目の指標は、デリビットに上場されているイーサリアム・オプション市場におけるディーラー/マーケットメーカーのネットガンマ・エクスポージャーである。
ガンマは、オプションのデルタ(原資産価格に対する感応度)が市場の動きに応じてどのように変化するかを測定する、オプション・トレーダーにとって重要な指標である。
ディーラーがショート・ガンマの場合、価格が上昇すると原資産を買い、価格が下落すると売ることを余儀なくされる。これにより、ディレクショナル型の動きがしばしば増幅される。
ディーラーはオーダーブックに流動性を提供し、ビッド・アスク・スプレッドから利益を得る一方で、価格中立的なネット・エクスポージャーを維持しようと常に努めている。
データソースのAmberdataによると、当記事執筆時点で、ストライク価格4000ドル~4400ドルの間で、ショート・ガンマの蓄積が顕著であった。
イーサリアムが4000ドルを突破したことで、ディーラーはエクスポージャーをヘッジするために資産を購入する可能性があり、これが自己増強的なポジティブフィードバックループを生み出す。これにより、価格は急速に4400ドルへと押し上げられる可能性がある。
4400ドルはガンマのダイナミクスがプラスに転じ、ディーラーは市場に逆らう取引を行うことを求められ、価格のボラティリティを抑制する水準である。

このことから、4400ドルは現在のラリーにとって、論理的な価格のマグネットとなる。
Amberdataのデリバティブ部門ディレクターであるグレッグ・マガディーニ(Greg Magadini)氏はCoinDeskに対し、「市場の勢いが4000ドルを突破するほど強ければ、ディーラーもより高い価格でイーサリアムの純買い手となる。これにより、次の大きなガンマ・インベントリの水準である4400ドルへの急速な上昇につながる可能性がある」と語った。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:CoinDesk Archives
|原文:Ether to $4.4K? This Hidden Signal Suggests a Possible Quick Fire Rally