機関投資家の熱狂でイーサリアムのDEX取引高がソラナを上回る

- イーサリアムブロックチェーンベースのDEXの取引高は4月以来で初めてソラナブロックチェーンを超えた。過去48時間の取引高は245億ドルに達し、ソラナブロックチェーンのDEXは100億ドルにとどまった。この要因として、機関投資家のイーサリアムへの関心の高まりと現物ETFへの流入が挙げられる。
- この変化は、今年これまでにミームコイン主導でソラナブロックチェーンが優勢だった状況からの反転だ。ミームコインTRUMPの暴落を受けて投資家の信頼が損なわれた結果、ソラナブロックチェーンの取引高は急落した。
- ユニスワップは24時間で86億ドルの取引高を記録し、イーサリアムブロックチェーンのDEX活動を主導した。また、SECの好意的なガイダンスを受け、リドなどのイーサリアムブロックチェーンのステーキングトークンが急騰した。リドは今週65%上昇した。
イーサリアムブロックチェーン上の分散型取引所(DEX)の取引高は4月以来で初めてソラナブロックチェーンを上回った。機関投資家の活動が増える中、ソラナブロックチェーンベースのミームコインからイーサリアム(ETH)へと投資家心理が急速に切り替わったことが背景にある。
DefiLlamaによると、過去48時間のDEXの取引高はイーサリアムブロックチェーンで245億ドル(約3兆5525億円、1ドル145円換算)に達し、ソラナブロックチェーンでは100億ドル(約1450億円)だった。
その前の2週間もイーサリアムブロックチェーンが優勢だった。イーサリアムブロックチェーンのDEX取引高合計は280億ドルと270億ドルで、200億ドル、240億ドルだったソラナブロックチェーンを上回った。
これは、投機的なミームコイン取引ラッシュでソラナブロックチェーンとBNBチェーン(BNB Chain)が優勢だった今年これまでの投資家行動とは対照的だ。
しかし、現物イーサリアムETF(上場投資信託)への機関投資家の資金流入がイーサリアムを支えた。イーサリアムは過去30日間で53%上昇し、今月4680ドル(約68万円)に達した。

コイングラス(Coinglass)のデータによれば、11日のETFへの純流入額は史上初めて10億ドル(約1450億円)を超えた。続く12日にはさらに絶え間ない買いが入り、5億2300万ドルの流入があった。
一方、ソラナブロックチェーンは今年第2四半期にその魅力を失った。例えば1月にはDEX取引高が1週間で980億ドル(約14兆2100億円)を超え、翌週には840億ドルを超えた。しかし、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がミームコインTRUMPをリリースしたことで、ブームは一気に冷え込んだ。TRUMPは7カ月で88%以上下落し、ミームコインへの投資家の信頼は完全に失われた。
ユニスワップはイーサリアムブロックチェーンで最も一般的に利用されているDEXであり続けており、過去24時間で86億ドル(約1兆2470億円)の取引が行われた。次点はフルイド(Fluid)で、同期間に10億ドル(約1450億円)を超えた。
こうした行動の変化は、先週の米証券取引委員会(SEC)による明確化の影響で価格が上昇したイーサリアムブロックチェーンベースのステーキングトークンにとっても好材料となる可能性がある。リキッドステーキングプロトコルのリド(Lido)のガバナンストークンであるリド(LDO)などのトークンのことで、リドは過去1週間で65%上昇した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:ユニスワップの取引高(DefiLlama)
|原文:Institutional Frenzy Pushes Ethereum DEX Volumes Above Solana