SBIとスターテイル、合弁会社を設立──あらゆる価値のオンチェーン化を推進する取引基盤を開発

Web3業界でますます存在感を増しているSBIと、渡辺創太氏率いるスターテイルが手を組んだ。

Startale Group(スターテイル・グループ)とSBIホールディングスは8月22日、トークン化された株式およびRWA(Real World Assets、現実資産)を対象に、ブロックチェーン上で稼働する新しい取引プラットフォームを共同開発・提供するための戦略的な合弁会社を設立すると発表した。スターテイルはブロックチェーン関連インフラおよびアプリケーション開発企業、SBIホールディングスは11兆円を超える運用資産残高と6500万を超える顧客基盤を世界中で有する総合金融グループだ。

グローバルでは、Robinhood(ロビンフッド)がトークン化株式を導入、Kraken(クラーケン)、Bybit(バイビット)、Gemini(ジェミナイ)といった大手暗号資産(仮想通貨)取引所が相次いでトークン化株式の取り扱いを開始している。

今回の提携により両社は「世界的な大きな潮流の最前線に立つ」こととなるとリリースで述べている。2033年までに18.9兆ドル(約2800兆円)に達すると推定されるトークン化資産市場の巨大な成長機会に対し、機関投資家向けレベルのブロックチェーン上の取引基盤を世界規模で提供するという。

ブロックチェーン金融の世界的変革を牽引

リリースでは、今回の提携を以下のように位置づけている。

「2025年が暗号資産の機関投資家による本格導入の年」であり、「分散型金融(DeFi)が、今後従来の金融の構造そのものを変える上で中心的な役割を果たす」と認識されている中で実現しました。SBIとスターテイルは、この潮流をさらに推し進め、24時間365日取引可能なブロックチェーン上での取引機能と、国境をまたいだ低コスト決済インフラを備えた仕組みを構築することを目指していきます。

共同事業では、多額の資金が、一定の目標達成(マイルストーン)に基づいて段階的に投入されることが決まっているとのことだ。商用化に向けた開発と市場での実用化にむけた動きを加速させていくという。

ブロックチェーン上での取引:「いつでも」「どこでも」「柔軟に設計できる」時代へ

スターテイルの創業者である渡辺創太氏は、リリースで次のように語っている。

「金融取引が紙での取引からオンラインの取引に移行したように、次の時代ではオンライン取引がオンチェーン取引となることは決定した未来になっており、その中でもトークン化株式の登場は今後数年の最大の機会です。いまだに稼働していない時間が多い既存の金融取引市場と違い、我々の取引基盤では日本株や米国株をトークン化して時間制限なく、ほぼ即時に取引できるようにします。これは、ただ既存の資産をデジタル化するというだけの話ではなく、従来の株式や現実資産が持つ信頼性と、分散型金融が持つ設計の柔軟さ・誰でも使える利便性を組み合わせた、まったく新しい金融の構造を築く取り組みです」

この事業では、最先端のブロックチェーン技術を活用し、以下の機能を提供することを目指すという。

  • 時間制限のない、24時間365日稼働するトークン化株式およびその他の金融資産の取引
  • 従来は日数がかかっていた国際間決済のほぼ即時化
  • 高額な株式の分割所有を可能にし、個人投資家にも手が届く資産形成の機会を提供
  • トークン化株式と分散型金融の仕組みを組み合わせた、新しい投資商品の開発

最終的には、あらゆる価値が24時間365日、世界中で自由に流通する統合的な金融基盤を構築することを目的としている。

伝統的金融と分散型金融(DeFi)の融合が進む時代

一方、SBIホールディングス代表取締役会長兼社長兼CEO北尾吉孝氏は、次のようにコメントしている。

「今世界の金融市場において、RWAのオンチェーン化、すなわち現実資産のトークン化という構造転換が進んでいます。トークン化されたRWAは24時間リアルタイム決済を可能にし、かつてない流動性と資本効率を実現するため、既存金融とDeFiとの融合は今後加速するでしょう。こうした動きの先で、取引所を含む資本市場そのもののデジタル化までもが具現化すると予想しています。この潮流を捉えて、当社グループが築き上げてきた企業生態系とStartaleの持つブロックチェーン技術を活用し、相互運用性の高い、常に開かれた・誰でも使える、グローバル市場における世界中のユーザーのニーズに合致した、新しい分散型プラットフォームを創り出せることに大いに期待を寄せています」

共同事業では、従来のトークン化株式サービスに見られた重要な課題にも対応していくとしている。つまり、既存の仕組みでは、限られた時間帯しか利用できなかったり、特定の国だけが対象だったりと制限が多くあったが、新しい取引基盤は、アジア地域の実情に合わせた高水準の安全性と法令順守の枠組みを備えながら、世界中から利用可能な接続性も兼ね備えた、真の意味での「24時間365日使える国際金融基盤」を実現するとしている。

基盤設計として拡張性と法規制対応の両立を実現

新しいプラットフォームは、スターテイルのブロックチェーン技術と、SBIグループの広範な企業生態系を掛け合わせることで、以下の実現を目指していくという。

  • 一般利用者でも使いやすいように設計された複雑な操作を排除した口座管理機能
  • 最も高い安全性と制度基準を満たす機関投資家向けの資産保管サービス
  • 従来は個人投資家が参入しづらかった市場に対して簡単に参加できる仕組み
  • 日本および国際的な法規制に対応するリアルタイムでの監視・順守体制

なおリリースでは、一般向けの試験運用(パブリックテスト)を、近い将来に開始する予定としている。

|文:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:リリースより

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