- イーサリアムは初めて4900ドル超に急騰し、史上最高値4946ドルで価格発見段階に入った。
- ビットコインのモメンタムが弱まっている一方で、イーサリアムの需要は、取引所の準備高が減少する中で高まっているとアナリストらは指摘。
- 週末のブレイクアウトは反落することが多く、週初めに短期的な後退を示すと警告する声もある。
イーサリアム(ETH)は24日に未知の領域に突入し、協定世界時(UTC)17時40分にコインベース(Coinbase)で4900ドルを突破して、2021年11月8日に記録した史上最高値4867ドルを上回った。
TradingViewの5年間のETH/USD価格チャートは、複数年にわたる明確なブレイクアウトを示している。イーサリアムは長い調整の後、ついに2021年の高値を突破し、過去の上値抵抗水準を一切残していない。
これが、トレーダーたちが価格発見と呼ぶものだ。市場は過去のチャート抵抗水準ではなく、心理とオーダーフローのみを頼りに新たな高値を更新している。

5日間の推移を見ると、この動きが明らかになる。4700ドル台半ばから急騰した後、イーサリアムは4900ドルを突破し、日中高値で4946.90ドル付近に達した。チャートのスナップショットが行われた協定世界時18時48分時点の最終価格は、約4941.57ドルだった。この動きは、買い手が過去の天井付近で供給を吸収し、その後新たな高値に押し上げる、典型的なブレイクアウトパターンを示している。

アナリストのマイルズ・ドイチャー(Miles Deutscher)氏は、この主導権の交代について、「ビットコイン(BTC)は疲弊しているが、イーサリアムはそうではない」とまとめた。簡潔に言えば、同氏は相対的なモメンタムに注意を促している。つまり、ビットコインの上昇は最近の高値付近で停滞している一方、イーサは価格発見段階に入ったばかりだ。
市場がある資産が「疲弊」していると言う場合、通常は上昇の試みが弱まり、フォロースルーが弱く、売り手が上昇圧力を抑えていることを意味する。一方、「そうではない」とは逆を意味し、フォロースルーが強くなり、新高値を更新し、押し目買いが活発になる。トレーダーたちは、一方のリーダー資産が疲弊すると、相対的な強さを示している資産へと資金を回すことがよくある。
暗号資産ユーチューバーのCrypto Rover氏は、取引所における供給に注目した。「取引所の準備高」とは、中央集権型取引所が管理するウォレットに保管されているコインを指す。
これらの残高が減少傾向にある場合、すぐに売却可能なコインの数が少なくなる。流動性供給が減少する中で需要が増加すると、買い手は取引所外のコインを流通に戻すためにより高い価格で入札しなければならないため、価格が上昇する可能性がある。これが同氏の「供給ショック」という表現の背景にあるメカニズムだ。これは価格が確実に上昇することを保証するものではないが、勢いがつき始めると希少性によって価格変動が拡大する可能性がある状況だ。
ミシェル・ファン・デ・ポッペ(Michaël van de Poppe)氏はリスクチェックを提供した。同氏は、週足ローソク足が異常に大きくなっていることを指摘し、週末のブレイクアウトは、週初めに流動性が正常化すると反落することがよくあると警告した。
考え方はシンプルだ。週末はオーダーブックが薄くなることがあるため、値動きが拡大しやすい。月曜日に参加者が戻ると、価格はブレイクアウト領域を再テストしてサポートとして確認してから、トレンドに戻ることがある。実際には、ブレイクアウトゾーンへの反落自体は、5年間のチャートに見られるような大きな強気のブレイクアウトを否定するものではないということだ。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Zoltan Tasi/Unsplash
|原文:As ETH Breaks Above $4,900, Analyst Sums Up Crypto Market: ‘BTC Is Exhausted, ETH Isn’t’


