- スタンダードチャータード(Standard Chartered)銀行のジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏によると、6月以降、イーサリアムトレジャリー企業はイーサリアムの供給量の2.6%を、イーサリアムETF(上場投資信託)は2.3%を購入した。
- ケンドリック氏は、イーサリアムは年末までに7500ドルに達すると見ており、最近の下落を強力な参入機会と見なしている。
- スタンダードチャータードは、2つの注目すべきイーサリアムトレジャリー企業であるシャープリンク・ゲーミング(Sharplink Gaming)とビットマイン・イマージョン(Bitmine Immersion)のmNAV倍率が、イーサリアムの3%のステーキング利回りを獲得しているにもかかわらず、ビットコイントレジャリー企業大手のストラテジー(Strategy)を下回っていると指摘した。
スタンダードチャータード銀行のデジタル資産調査グローバルヘッドであるジェフ・ケンドリック氏は8月26日、イーサリアム(ETH)とイーサリアムトレジャリー企業は現在の水準では割安であると述べた。
ケンドリック氏は、イーサリアムトレジャリー企業が6月以降、流通している全イーサリアムの2.6%を購入したと指摘した。加えて、ETFへの資金流入と合わせると、これら2つで流通している全イーサリアムの4.9%という驚くべき量を購入した。
その結果、時価総額で2番目に大きな暗号資産であるイーサリアムは、24日に4955ドルの新たな史上最高値を記録したと、ケンドリック氏は述べた。
これらの資金流入は顕著であったが、これはまだ始まりに過ぎなという点が重要だと、ケンドリック氏は強調する。ケンドリック氏は以前、トレジャリー企業が最終的に流通している全イーサリアムの10%を保有することになると予測しており、その数字は確かに達成可能であるように思われる。
最近のイーサリアム価格の急落にもかかわらず、ケンドリック氏はイーサリアムが年末までに7500ドルに達するという以前の予測を堅持している。ケンドリック氏は、過去2日間での4500ドルを下回る水準までの下落が、優れた参入機会を生み出したものと見ている。
イーサリアムトレジャリー企業の評価について、ケンドリック氏は、それらが正常化し続けていると述べた。シャープリンク・ゲーミングとビットマイン・イマージョンのmNAV倍率(保有暗号資産の価値と株式市場の時価総額の比率)は低下し、マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏のストラテジー社のそれを下回った。
イーサリアムトレジャリー企業はイーサリアムの3%のステーキング利回りを獲得できることを考えると、mNAV倍率が(そのようなステーキング利回りを得られない)ストラテジー社のそれを下回る理由はないと、ケンドリック氏は見ている。
さらに、シャープリンクが22日に、NAV倍率が1.0を下回った場合に自社株買いを行うと発表したことで、イーサリアムトレジャリー企業の倍率に明確な下限が設定されたと、ケンドリック氏は付け加えた。
下落にもかかわらずイーサリアムETFへの資金流入は堅調
25日の市場暴落がイーサリアムを8%下落させた(ビットコインの下落幅の約4倍)にもかかわらず、ETFに投資する人々は買いを続けた。
ファーサイド・インベスターズ(Farside Investors)によると、これらのファンドは25日、ブラックロック(BlackRock)のiシェアーズ・イーサリアム・トラスト(ETHA)の3億1500万ドル(約460億円、1ドル=147円換算)を筆頭に、約4億4400万ドルの資金流入を見た。
これは、22日にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のジャクソンホールでのハト派的な発言を受けてイーサリアムが急騰した際の、3億3800万ドルの資金流入に続くものであった。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:Ether and ETH Treasury Companies Look Undervalued After Plunge: Standard Chartered


