- ハット8のCEOであるアシャー・ジェノート氏によると、アメリカン・ビットコインは9月にナスダックに上場する計画だ。
- 同社の株式の過半数はハット8が保有し、ドナルド・トランプ・ジュニア氏とエリック・トランプ氏は合わせて20%を保有している。
- アメリカン・ビットコインは最近、ビットコイン保有量とインフラの拡大のため2億2000万ドルを調達した。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の息子2人が20%を所有するビットコイン(BTC)マイナー、アメリカン・ビットコイン(American Bitcoin)は、9月にナスダックに上場する計画だ。残りの80%を保有するハット8(Hut 8)のアシャー・ジェノート(Asher Genoot)CEOが明らかにした。
ロイター通信によると、アメリカン・ビットコインはグリフォン・デジタル・マイニング(Gryphon Digital Mining)との合併を最終調整しており、これによって上場に向けた道が開くことになる。合併完了後、既存株主は合併後の会社の約98%の所有権を保持する見込みだ。
アメリカン・ビットコインは2025年3月に立ち上げられ、ビットコインのマイニングとバランスシートに組み込むための直接購入の両方によってビットコイン準備金を増やす戦略を展開している。ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr.)氏とエリック・トランプ(Eric Trump)氏の関与によって、同社はアメリカの著名な政治一家と結び付けられている。
トランプ一家と関係する別の企業、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(Trump Media & Technology Group)はこの発表の数日前、Crypto.comと合弁事業を設立し、それをSPAC(特別目的買収会社)との合併によって上場させる計画を発表した。
アメリカン・ビットコインは最近、適格投資家から2億2000万ドル(約319億円、1ドル145円換算)の資金調達を実施した。さらに、現金の代わりに1000万ドル(約14億円)相当のビットコインも受け取った。この資本は、上場企業を目指す中でインフラ拡張とトレジャリー(財務)強化に充てられる。
香港で開催された会議ビットコイン・アジア(Bitcoin Asia)で講演したジェノート氏は、ビットコイン関連証券へのアクセスを拡大するため、アメリカン・ビットコインは米国外の企業にも出資する可能性があると述べた。ナスダック上場株式を直接購入できない投資家もいるため、ジェノート氏は、海外とのパートナーシップによって規制対象の事業体を通じたエクスポージャーへの道筋が提供される可能性があると示唆した。
アメリカン・ビットコインにとって、今回の上場計画は、競争が激化してエネルギーコストが変動する中であっても、公開市場が暗号資産(仮想通貨)マイナーへの直接的なエクスポージャーに対して貪欲であり続けていることに賭けているということだ。9月に上場すれば、同社は機関投資家を引き込む方法として上場を目指す少数のマイナーの仲間入りを果たすことになる。
また、この動きは、トロントに拠点を置くハット8に対して北米有数のマイニング企業としての地位を確立するための取り組みにおける新たな手段も提供する。同時に、トランプ兄弟にビットコインの成長と直接結びついた事業への足掛かりを与えることになる。
ハット8の株価は最近0.6%高の26.5ドル(約3800円)で取引されている。
|翻訳・編集:林理南
|画像:エリック・トランプ氏(Shutterstock)
|原文:Trump-Backed Bitcoin Miner American Bitcoin Targets September Nasdaq Debut


